通訳の都合

通話その1
「もしもし、MIAさんですか、病院での通訳をお願いしたいんですが・・・」
「はい、どちらの病院さんですか?」
「いえすたかしクリニックです」
「はあ、どっかで聞いたような・・・なんでもないです。いつですか?」
「〇月×日午前10時からお願いしたいです。」
「承知しました。患者さんはどちらのお国の方ですか?」
「ベトナムです。」
「ベトナム語ですね。ベトナム語通訳者の都合を確認して折り返します。」

通話その2
「もしもし、MIAです。さっきのベトナム語の通訳の件ですが・・・」
「はい、どうでしたか?」
「それが、〇月×日は午前中は通訳者の都合が悪くて・・・他の通訳さんにもことごとくフラれまして、この日だとZさんが午後遅くだったらなんとか対応できると仰っておりまして・・・」
「そうですか。それでは患者さんと医師の都合を調整して折り返します。」

通話その3
「もしもし、MIAさんですか。ベトナム語の通訳の件ですが・・・」
「はい、どうでしたか?」
「〇月×日、夕方4時からということでお願いできませんでしょうか?」
「4時ですね。それだったらZさんだいじょうぶです。」
「ありがとうございます。」
「では、ばいなら。」

 最近、よくある展開です。ベトナム、ネパール、インドネシアなどアジア諸国から技能実習や留学の在留資格で来県している人が増えている関係で、そうした方々にまつわる通訳の依頼を受けます。MIA外国人支援通訳サポーターを言語別で登録者を見ると、多い順に英語、中国語、韓国語。震災前はだいたいこの言語で対応できたのです。ところが、震災後国籍別の構成が激変しまして、通訳のニーズも完全にシフトしました。喫緊の課題は、急増しているベトナム、ネパール、インドネシアといったアジアの言語を通訳できるレベルの方がとても少ないということ。日本人でベトナム語、ネパール語、インドネシア語ができる人も少ないですし、日本に長く暮らしているベトナム、ネパール、インドネシア出身の方も少ない。いきおい、その限られた幾人に通訳の依頼が殺到します。そうすると、通訳をお願いする側の都合よりも通訳さんの都合に関係者が合せないといけないということがよく起こります。調整役としては心苦しくもあるのですが、通訳がいないと成立しない現場ではそれもまた致し方なし。お国はその辺りもよくお考えになった方がよろしいかと思いまする。

 MIAのみならず、県警、弁護士会、海上保安庁、裁判所などの機関と同じ通訳者を巡る「争奪戦」が起こることもあります。警察などは全国ネットで通訳の手配をしているようですが、我々の業界でもそのような広域連携が必要になっていくかもしれません。

とーます

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このページは、MIAが2018年7月 6日 14:42に書いたブログ記事です。

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