2018年6月アーカイブ

「外国人の子ども・サポートの会」さんから、文集「虹のつばさ」を寄贈いただきました。

会員さんによる編集会議がMIAで行われていて、作業のご苦労の一端を垣間見ていたので、完成した冊子をお持ちいただいたときは、「ついにできたのですね!」と、こちらも感激しつつ受け取りました。

会の発足からこれまでの活動の歴史、会員の皆さんの作文などがまとめられた、充実の一冊なのですが、今回、特に心に響いたのは、「サポーター会員」の作文です。

サポーター会員、すなわち、子どもたちを支援してきた方々の、それぞれの活動を振り返っての様々な感想が綴られているのですが、その殆どの方が、
 「たくさんの気付きを得た」
 「サポート活動から得た経験は私の財産」
 「互いの気持ちを共有することの嬉しさに気づいた」
 「自分の将来にとっても重要なものになる」
と、サポート活動が、自分にとっても「学びの機会」になっていることを、実感を込めて述べているのです。

サポート活動というものは、一義的には、サポートを受ける側の役に立っているかどうかがポイントですが、それでも、それは決して一方的なものではなくて、サポートする側にも何らかの価値が与えられる、相互作用があるものなのだな、ということが、皆さんの作文からひしひしと伝わってきます。

もしかして、反応がダイレクトに伝わってきやすい、子ども達を対象とした活動だと、「相互作用」的なことがグッと強まるのかもしれないですね。

・・・などど、したり顔で書いてるような、このブログを読むよりも、実際の作文を読んでもらった方が、このことがしっかり伝わると思うので、是非多くの方にこの文集を手に取ってもらいたいです。「外国人の子ども・サポートの会」の活動の意義深さが、改めて感じられる一冊です。

(OZ)

P6080002.JPG



外国人といっしょに働くためには

 骨太の方針ってフレーズを見るたびにワタクシの頭の中では犬がおいしそうにご飯を食べはじめるんですが、それはさておきその骨太の方針によると外国人の単純労働者の受け入れが事実上解禁になるようです。日本語力や滞在期間などいろいろ条件はあれど、いままでの留学生や技能実習生よりももっとシンプルで建前のない文字通り働く外国人を受け入れるということは間違いない(例えばこの日本経済新聞の記事)。

 介護の技能実習生の話が出てきて以来、外国人労働者の日本語がポイントのひとつになっています。たしかにコミュニケーションがうまくできなければ、利用者さんの安全、スタッフ間の連携、ひいては法人の信用、企業の存続問題にだってなりかねない。

 ですから外国人労働者のみなさん、日本語の勉強がんばって!というのは分からなくもないのですが、元々年限が限られたデカセギ、学習の環境が整備されているわけでも(WEB上で学習教材は整備するようです)そのための補助金が出るわけでもないところで働きながら学んでどれほどの日本語力を獲得できるのか。中学から学んだ英語を使って、我々は英語で介護の仕事が恙なくできるでしょうか?できる気がする人、挙手!

 そこで、角度を変えてもうひとつの可能性を考えてみましょう。外国人は日本語を勉強することで日本人に近づいていこうとしていますが、日本人が外国人に近づいていくことはできないのかということです。半年、1年日本語を学び、N4、N3という日本語力の外国人は、日本人同士のナチュラルな会話はところどころしか理解できないかもしれませんが、頭の中には日本語のストックが確実にあります。いささか乱暴な言い方になりますが、分かる日本語でお話すればコミュニケーションは成立します。

 「欠席の際はご連絡のほどをよろしくお願い申し上げます」と言うと全然伝わらないけれど、「休むときは電話ください」なら分かるかもしれないのです。

 やさしい日本語は災害時の情報伝達の手段としてよく語られますが、昨今の労働者の増加からすると、外国人といっしょに働く現場の日本人にとっても有効な手段ではないかと思われます。役所も然りです。中長期日本に滞在する外国人は社会保障上は日本人と大差なく、健康保険証も持ちますし、年金も払いますし、市県民税も払いますし、出産育児一時金ももらえます。ところが、この手続きでことごとくつまずきます。これらの日本語を支障のないレベルで理解するにはどれほどの学習が必要となるでしょうか?大学まで英語を学びましたが、たぶん英語圏でワタクシは自立して生きてはいけないです。このハードルを下げる努力を払うべきときに来ているように思います。

 手段はやさしい日本語だけではありません。資料、文書の多言語化が有効な場合もありますし、個別のケースでは母語での相談、通訳対応も必要になるでしょう。ですが、全ての場面に多言語資料が用意できるわけもなく(優先度の高いものは全国で使える汎用性のある多言語資料を用意すべき)、いつも通訳者が派遣できるわけではありません。外国人といっしょに働く我々日本人はなにができるのか、そろそろ国ぐるみで向き合うべきときが来ているのではないか。そして、そういった支援をボランティアまかせ、地方自治体まかせにするのもそろそろ考え時ではないか。そんなことを思う日々です。


とーます

新着図書のご案内

当協会図書資料室は、日本語の学習指導で必要とされる各種教材に特化して整備し、外国人に日本語を教えているボランティアの方々や県内の市町村日本語教室の方々を対象に貸し出しを行っております。

 

この図書資料室に整備した図書を下記の通り、ご紹介します。

 

「レベル別日本語多読ライブラリー にほんご よむよむ文庫 レベル3  vol.1?vol.3

発行:株式会社アスク出版

 

「レベル別日本語多読ライブラリー にほんご よむよむ文庫 レベル4  vol.1?vol.3

発行:株式会社アスク出版

 

「日本語能力試験対策 日本語パワードリル N1文字・語彙」

 「日本語能力試験対策 日本語パワードリル N2文字・語彙」

「日本語能力試験対策 日本語パワードリル N3文字・語彙」

発行:株式会社アスク出版

 

「新完全マスター語彙 日本語能力試験N3 ベトナム語版」

発行:株式会社スリーエーネットワーク

 

「新完全マスター聴解 日本語能力試験N4」

発行:株式会社スリーエーネットワーク

 

「日本で生活する外国人のためのいろんな書類の書き方」

発行:株式会社アスク出版

 

「日本語教育能力検定試験 分野別用語集」

発行:株式会社翔泳社

 

「平成29年度日本語教育能力検定試験  試験問題」

発行:株式会社凡人社

 

「初心者の間違いから学ぶ 日本語文法を教えるためのポイント30」

発行:株式会社大修館書店

 

「コミュニケーション能力を伸ばす授業づくり」

発行:株式会社スリーエーネットワーク

 

「日本語教師のための 日常会話力がグーンとアップする雑談指導のススメ」

発行:株式会社凡人社

 

 H30.6.1.jpg

 

 

 

ご関心のある方は、当協会図書資料室にぜひ足をお運び下さい。

 

Sugar

このアーカイブについて

このページには、2018年6月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2018年5月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。