通訳サポーター研修会終わる

 先週のことになっていまいましたが、23日(水)MIA外国人支援通訳サポーター登録前&スキルアップ研修会が終わりました。「結核現場における通訳」をテーマに県保健福祉部疾病・感染症対策室による基礎講座と昨年度結核現場で活動を行った通訳サポーターおふたりにご報告をいただきました。

 この研修会のためにあらためて資料を整理してみましたが、昨年度の保健医療通訳サポーター派遣全89件のうち結核関連が43件ですから、ほぼ半分に当たります。法定感染症である結核は法律に従って検査、服薬指導などが公費でがっつり行われます。ですが、ルールも難しく、そもそも結核という病気に対する認識、考え方が全く違う外国人がそれを日本語の説明のみで理解することは相当に高いハードルがあり、そこを通訳サポーターがお手伝いしているということですね。

 通訳サポーターおふたりの報告はそれぞれにとても興味深いものでした。ネパール語のAさんは、ことばのお手伝いもさることながら、入院で心細い思いをしている患者に寄り添うことを心がけられているというお話が印象的です。通訳の合間にとにかくネパール語でおしゃべりをしたい患者さんのお話に耳をかしてくださっていること、その際どんな話をしているのかということを周囲の看護師や保健師にお伝えしていること。目の前にいる人々に自分の分からないことばでしばらく会話をされると、ひとは不安になり、不信感を抱くことさえあります。通訳者にはそういう心理が分かり、それを伝える必要が見えるということかと思いました。

 もうひと方、インドネシア語のOさんは、事前準備について実例を挙げて詳しくご説明をいただきました。通訳に行く前にその病気について書かれた資料を読み、多言語資料を探し、自分で単語帳を作り、そうやって自分自身の不安を少しずつ取り払っていくというプロセスに会場のみなさんが感服されていました。

 MIA外国人支援通訳サポーターは公平で正確な通訳活動をお願いしますとガイドライン上ではうたっておりますが、現場においては必ずしもそれだけでは立ち行かず、通訳外の助言、提言、説明、対応が求められることもあります。通訳活動の目指すところが、コミュニケーションの成立、互いの意を伝え相互に理解することだとすれば、お互いの間に溝、壁がある状態ではいくらことばの中継をしても理解が進まないこともあり、通訳者がその溝を埋めたり、壁を壊したりして、ようやく同じ土俵の上にあがることが可能となるわけです。その溝や壁はお互いの文化、習慣を知る通訳者にしか分からないこともよくあります。単に「赤」を「RED」と通訳しただけでは充分じゃないことがあり得るということです。

 司会進行の不手際は相変わらずでしたが、とても示唆に富んだお話がたくさんが伺えました。登壇者並びにご参加いただいたみなさまに感謝申し上げます。

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とーます
※しっかし、1時間半ずっと汗をかきどおしでした。なのに減らないいまいましさよ。

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このページは、MIAが2018年5月29日 11:58に書いたブログ記事です。

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