正しい翻訳

 11月のブログにのっけた写真。我が最寄駅に掲示された「またのお越しをお待ちしています」の多言語訳がどうにも危うく、自動翻訳ノーチェックの代物ではないかと勘繰っておりましたが、その後の顛末。
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 昨晩には↑こうなってました。上からシールを貼っています。中国語についてはよく見るこなれた翻訳です。問題ないかと思います。韓国語はこれがどうなのかワタクシには判断ができませんが、おそらく問題なかでせう。信頼できる人の目を経てきているものと思われます。ヨカタヨカタ。

 先月、駅のスタッフにおずおずと「あのお、あそこの横断幕の中国語と韓国語が・・・」と切り出してみたところ、「それは市の依頼で掲示したもので、内容については市に直接・・・」ということでしたので、続いて市観光課に電話してみました。

 「ご指摘ありがとうございます。早急に対応いたします。」

 明瞭な反応にこっちが戸惑ってしまったぐらいです。この電話をしたのが12月18日。2週間あまりで修正されました。間には年末年始の休暇があったことを思えば、「迅速」なご対応でございました。天晴。これで、中国、台湾の旅行客から「あ、変な中国語!」とインスタに載せられることはなくなりました。


 ちなみに、修正された中国語訳、もういちど日本語に直訳し直すと、「再度の来訪を歓迎します」ぐらいでしょうか。原文が「またのお越しをお待ちしています」。単語レベルで見れば、「待つ」が「歓迎する」に変換されてしまっているわけです。ですが、こうした見方も多分に皮相的で、単語レベル云々ではなく、より慣用的な表現はなにかということなのだろうと思います。「またのお越しを歓迎いたします」って日本語としてはやはりこなれていない。文法レベルでは何ら破綻はありませんが、そうは言わない、書かない。自動翻訳はまだその辺りに「壁」があるのでしょう。

 日本の伝統的な手紙文に用いる時候のあいさつなども直訳したら間違いなく奇異になります。「みなさまにおかれましてはご健勝のこととお喜び申し上げます」式の常套句は、語を訳すのではなく、ある種「文化」を訳す必要がありますね。こういう状況、場面で日本人ならどう言う(書く)、では中国ならどう言う(書く)といった風に。「祝大家身体健康!」と中国人はあいさつの締めでよく言いますが、これを「みなさんのお体が健康でありますように」と訳したら、通訳者としては及第点をもらえないですね。「みなさまのご健康とご多幸をお祈り申し上げます」と、敢えて原文にない「ご多幸」まで訳すぐらいでちょうどいいかもしれない。

 翻訳は再創作である、とはよく言われることですが、まさにまさに。単にことばが右から左ということでは決してありませんね。だから、面白い。


とーます

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このページは、MIAが2018年1月 5日 09:38に書いたブログ記事です。

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