2018年1月アーカイブ

豪華な空間

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 MIA日本語講座初級1と初級2クラスの受講生を対象に「ストレスケア教室」を実施しました。日本語だけでお伝えするには限界があるので、通訳さん付きです。講師のIさんがひとこと話すと、即座にそれが5言語に「変換」されていきます。この日は英語、中国語、韓国語、ロシア語、ベトナム語。若干慣れてしまっておりましたが、これって実はとても豪華な空間に居合わせているのではないかと思ったのでした。

 通訳者のみなさん、ありがとうございました。


とーます

おぢさん迷う、そして木に登る

 T大学の学生が留学する前の研修として、宮城県の外国人の現状を教えてほしいとのご依頼があり、先日伺ってまいりました。

 ワタクシが通っていた(うそです、あまり否ほとんど通ってはいませんでした、お詫びして訂正します、正しくは籍を置いていた、でございます)ころにはなかった建物が会場に指定されており、まずはそこにたどり着くことが大きな目標でございました。事前にHPを見て場所をしかと確認して臨みました。

 地図上で確認したと思しき建物の前に着きました。入口付近の銘板を確認します。指定されたセクション名が見当たりません。幼少の砌から「あきめーくら」と罵られ続けてまいりましたので、何度も確認しました。大きな建物で入口が複数ありましたので建物の周囲をバターになりそうなぐらいぐるぐる徘徊しました。しかし、やはりどこにも見当たりません。端から見たら完全に不審者です。

 既に夕刻でしたので、受付窓口は開いておらず、人通りもほとんどありません。うろうろを続けていましたら、職員と思しき人が偶然通りかかったので、意を決して尋ねました。「鬼退治に行きたいので、一緒に行ってもらえませんか?」これを言ったら完全にものほんの不審者でした。言ってみたかったけど・・・

「えーと、わたしもよく分からないので、確認してきますね」

と、その職員は出てきた事務所に戻り、ややしばらくして戻ってきました。

「おそらくこのエレベーターで3階まで行って、そこから行くんじゃないかと思います。」

 「思います」というのが少し気になりましたが、とりあえずひとりで勝手に行って完全な不審者になるよりは、どなたかのお墨付きの不審者の方がまだよいと思いましたので、時間もなかったことですし、ええいままよとエレベーターに乗りました。

 果たして、会場になんとか時間前にたどり着きました。眼球はだいぶ湿気ておりました。大和男児泣いてなるものか。しかし、泣く前にT大学にひとこと言いたい。案内表示ぐらいやりなはれ。内部の職員さえ確認しないと分からないようなところに、外部の人がどうしてたどり着けるものか。


 ともあれ、本題の研修が始まりました。対象は大学生5名。文学部、工学部、経済学部と所属もバラバラ。でも、留学先は全員ドイツ(2週間)、あちらでは移民についても学んでくるということでした。

 ワタクシからは、全国的な労働力不足により留学生や技能実習生など外国人労働者が宮城でも激増していること、外国人は必ずしもずっと要支援者というわけではなく支援者へと立場が変わっていく人もたくさんいること、外国人の増減は日本と世界の経済、社会、産業などと密接に結びついておりおよそ予測不能であること、を早口にまくしたてました。持ち時間は45分、あっという間でした。

 ここからがすごかった。学生からの質問攻め。技能実習制度の現状はどうなのか、外国人の子どもの教育問題はどうなっているのか、EPAとは何か、日本での外国人労働者が100万人を超えたということだがかれらの収入はどれほどになっているのか(ワタクシも知りたい、こうした統計があったらおしえてください!)、日本語学校というのは学校なのか、日本国政府の外国人に関する施策はどうなっているのか、などなど。

 ひとつひとつの質問に知る限りの答弁脱線与太話をしていたら、さらに1時間以上が過ぎてました。いやあ、面白かった。反応がよいと楽しくなりますね。釣りと一緒。話をしても反応がないってこともよくあるんですけど、つまらなくてごめんなさい、つまるとすぽんすぽんしないといけませんからねと心が萎えます。萎えても萎えても学ばなくてごめんなさい。ひとはこうして心無くごめんなさいを量産していくのでせう。


とーます
※実は、この日は愛娘の誕生日でした。帰宅したら娘はもう寝てました。
※実は、元々は別のスタッフが行くはずだったのですが、なんと「い」で始まって「ざ」で終わる病に伏してしまいまして、ワタクシは急な代打でございました。
※実は、こんなこともあろうかと?前日晩にはケーキを買って帰り、誕生日の朝にみんなでケーキを食べてました。父は、カロリー摂取上、夜はケーキを食べたくなかったので、朝にしただけなんですけどね。万事塞翁が馬というところかしらん。
※想定外の残業で遅い帰宅となりましたが、最寄駅はこうなってました。屋根が一斉に職場放棄しているようです。
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いまどきの日本語学習

 「いまどき」ってことば、どことなくネガティブな響きですよね。「いまどきの若者は・・・」「いまどきの中学生は・・・」、苦虫潰したおじさん、おばさんがむかしはよかった式の無根拠で自己肯定意識満々でお送りする若者を蔑む言説の枕詞。ワタクシも若者の言動、趣味嗜好を理解できないことが確実に増えてまいりましたが、「いまどきのおじさん」といたしましては、それは単に自分が古くなったことの証左であり、理解できない、理解を求めない自分を認める日々です。先日も、車の中でラジオを垂れ流しておりましたところ、一年間で流行した曲、10曲かそこらが次々流れてまいりまして、見事にその曲がひとつも徹頭徹尾分からないということを小一時間のちに確認し、これはジェネレーションのギャップなのか、世並みからのずれなのか、社会への関心が失われつつあるのか、流行歌というのは若者の同時代性を確認する蝶番のようなものだからそもそも自分はそのフィールドにはいないのだと知ったような分析をぶってみたり、と移動を楽しんだ次第です。

 さてさて、昨日よりMIA日本語講座が再開しました。初級2のクラスのT先生から「MIAの方もどうぞ」とお招きをいただき、受講生の発表を拝聴しました。「冬休みの(写真)一枚」がテーマです。

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 受講生ひとりひとりが前に出て、自分の携帯電話にケーブルをつないでテレビに映し、その写真を見せながら、説明します。

「わたしは、お正月に家族で初詣に行きました。おみくじを引いたら大吉が出ました。」
「わたしは、妹の夫婦と一緒に温泉に行きました。わたしたち家族は温泉が大好きですが、妹の家族は温泉が初めてで、みんな恥ずかしそうでした。」

 写真があるので、状況もよく分かりますし、みんな自分の経験ですので話したい意欲にあふれています。冬休み明けのウォーミングアップにはもってこいでした。

 最近、日本語学習の現場にスマートフォンは欠くべからざる存在のようです。辞書にもなり、言いたいことを即座に絵として見せることもでき、良きコミュニケーションツールとなっています。音声翻訳機能も日々進化していますからね。MIA日本語講座でも上記のような活動以外の場でも学習者がスマートフォンを操っている姿は非常にしばしば見かけます。

とーます 
※2月の中旬までMIAの教室は続きます。最も寒くなるこの時期、教室が最も遠くなると言いますか、部屋から最も出にくくなると言いますか、特に東南アジアから来られて初めて宮城の冬を過ごされる方々にとってこれは試練のときのようです。初めて雪を見た感動は一瞬ですが、寒さはずっと続きますからね。

正しい翻訳

 11月のブログにのっけた写真。我が最寄駅に掲示された「またのお越しをお待ちしています」の多言語訳がどうにも危うく、自動翻訳ノーチェックの代物ではないかと勘繰っておりましたが、その後の顛末。
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 昨晩には↑こうなってました。上からシールを貼っています。中国語についてはよく見るこなれた翻訳です。問題ないかと思います。韓国語はこれがどうなのかワタクシには判断ができませんが、おそらく問題なかでせう。信頼できる人の目を経てきているものと思われます。ヨカタヨカタ。

 先月、駅のスタッフにおずおずと「あのお、あそこの横断幕の中国語と韓国語が・・・」と切り出してみたところ、「それは市の依頼で掲示したもので、内容については市に直接・・・」ということでしたので、続いて市観光課に電話してみました。

 「ご指摘ありがとうございます。早急に対応いたします。」

 明瞭な反応にこっちが戸惑ってしまったぐらいです。この電話をしたのが12月18日。2週間あまりで修正されました。間には年末年始の休暇があったことを思えば、「迅速」なご対応でございました。天晴。これで、中国、台湾の旅行客から「あ、変な中国語!」とインスタに載せられることはなくなりました。


 ちなみに、修正された中国語訳、もういちど日本語に直訳し直すと、「再度の来訪を歓迎します」ぐらいでしょうか。原文が「またのお越しをお待ちしています」。単語レベルで見れば、「待つ」が「歓迎する」に変換されてしまっているわけです。ですが、こうした見方も多分に皮相的で、単語レベル云々ではなく、より慣用的な表現はなにかということなのだろうと思います。「またのお越しを歓迎いたします」って日本語としてはやはりこなれていない。文法レベルでは何ら破綻はありませんが、そうは言わない、書かない。自動翻訳はまだその辺りに「壁」があるのでしょう。

 日本の伝統的な手紙文に用いる時候のあいさつなども直訳したら間違いなく奇異になります。「みなさまにおかれましてはご健勝のこととお喜び申し上げます」式の常套句は、語を訳すのではなく、ある種「文化」を訳す必要がありますね。こういう状況、場面で日本人ならどう言う(書く)、では中国ならどう言う(書く)といった風に。「祝大家身体健康!」と中国人はあいさつの締めでよく言いますが、これを「みなさんのお体が健康でありますように」と訳したら、通訳者としては及第点をもらえないですね。「みなさまのご健康とご多幸をお祈り申し上げます」と、敢えて原文にない「ご多幸」まで訳すぐらいでちょうどいいかもしれない。

 翻訳は再創作である、とはよく言われることですが、まさにまさに。単にことばが右から左ということでは決してありませんね。だから、面白い。


とーます

暦いっぱい

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 フィリピン人相談員Rさんによれば、「フィリピンには年末にカレンダーを配る習慣はない」とのこと。かつて、中国、香港、台湾にいたことがありますが、そこにもなかったような。日本以外にもそういうところがあるのでせうか。

 MIAにもいくつか届きますし、MIAのはす向かいの事務所は仕事柄大量にカレンダーが届くらしくて、いつも「横流し」していただいています。それらを教室の机に全部広げてみました。来週、MIA日本語講座が再開しますが、受講生のみなさまにお配りします。ひとり何枚でもOKです。お好きなだけお持ちあれ。

 来年2019年は途中で元号が変わるということで、それがいつ発表されるのか印刷業者さんは気をもんでいるという報道がございました。また、これを機に役所の文書は西暦にしたらいいのではないかとの議論もあります。例えば、台湾は民国〇年と標記されますが、果たしてそれが西暦何年にあたるか外国人には分からないのと同じことが言え、日本はそれが変わっていくのですから、いまとなっては昭和48年が西暦1973年だとすぐに言えるのはその年に生まれた人ぐらいしかいないわけでして・・・ただ、元号というのは単に時間を表す記号だけではないとの指摘もあります。日本人であることの意味もそこには含まれているのだからして云々といったこともあり、さてさてどうなりますことやら。

 先日、届いたみやぎ県政だよりを見ていたら、大台に乗った数字に目が留まりました。
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 宮城県内の在留外国人が2万人を超えました。震災直後、1.4万人を割っていましたから、ざっくり毎年1千人の増加です。宮城県民全体では緩やかな減少傾向にありますから、日本人に限れば緩やか以上に減少しているということになりましょうか。この傾向はまだまだ続くのでしょうか・・・


とーます
※さきほどお隣の事務所の方がお見えになって、「合同庁舎の7階からウナギ14個の注文があったのだけれど、おたくではないですか?」とのこと。以前、ドーナツ騒動もありましたが、こんどはウナギ。もうじき絶滅して食えなくなるかもしれないというのに・・・プンプン。 

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