「国際交流協会ともだちin名取」さん主催の「119番通報における多言語通訳体制とAEDの使い方講座」に参加してきました。
名取市では、119番の通報に対して、多言語コールセンターのサービスを用いて5言語(英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語)で対応しています。
講座の前半は、実際に外国人が119番通報をする、というシミュレーションを行いました。
「火事ですか?救急ですか?」「Is it a fire or a medical emergency?」
日本語以外で119番通報をすると、消防本部が三者通話で多言語コールセンターにつなぎ、スタッフが通報者と消防本部のやりとりを通訳してくれるシステムになっています。
今回の講座では、スマホのスピーカー機能を使って会話が他の参加者にも聞こえるよう配慮されていて、意思疎通がスムーズに進むもの、そうでないもの、いろいろな展開が見られ、訓練とは思えない緊迫感がありました。
こうしたことは、単に情報として知っているのと、実際のやり取りを経験するのとでは、全く違うのではないでしょうか。
それは通報する側にとってもそうだし、受ける側にとっても言えることで、「自分たちにも良い練習の機会になった」という消防本部の講師のコメントには、実感がこもっていました。
後半はAEDの使い方の練習。
参加者の関心も高く「AEDはどこで買えるんですか?」という質問もありました。
119番通報の際に気をつけることやAEDの正しい使い方について、講師から実用的なアドバイスがいくつもありましたが、私が一番印象に残っているのは、
「119番通報はそんなに怖いものではないですよ。困ったら119番してくださいね。」
という配慮あふれる一言です。
119番通報って、日本人にとってもドキドキものなのに、まして日本語が母語じゃない人にとっては、そのハードルは一層高いものになっていると思われます。
でも、消防の側は、あまり恐れずに119番してほしいと市民に対して思っていて、しかも多言語で対応している。
そのことがわかって、今日参加した人は、ずいぶん安心したのではないでしょうか。
それからもう一つ印象深かったのは、ともだちin名取さんの敏腕ぶりです。
消防本部との調整、資料の多言語化、119番通報のシナリオ作成、機転の利いた板書などなど、みなさんの企画力、実行力を大いに感じました。
そして、そんな心温かな消防、熱心な市民グループが存在する名取市で、1月13日に県が主催の「多文化共生シンポジウム」が開催されます。
ともだちin名取さんの関係者も多数登壇しますので、ぜひご参加をご検討ください。
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(OZ)