2017年10月アーカイブ

「グローバル」

気仙沼に行ってきました。
スーパーグローバルハイスクールの指定を受けている市内の高校にお邪魔したのです。

スーパーグローバルハイスクール(SGH)とは、国際的に活躍できる「グローバルリーダー」を育成するため、独自のカリキュラムを設けて教育を行っている高校で、宮城県内では3校が文科省から指定を受けています。

こちらの高校を伺うのは今回で3回目ですが、とても嬉しいことがありました。生徒各自がテーマを設定して研究活動を行う「課題研究」で、地元の外国人に関する課題を取り上げていた生徒さんが何人かいたのです。

「グローバル」というと、どうしても「海の外」のことに目が行きがちですが、身近なところでも「グローバル」なことは起きています。

特に気仙沼では、介護事業所が定住外国人の雇用に早くから取り組んでいたり、製造業で大勢の技能実習生が働いていたり、それから「気仙沼市小さな国際大使館」が日本語教室を開いていたりと、さまざまな動きがあります。

こういう「身の回りの国際化」だって、「グローバル」なことの一つなので、是非SGHの取り組みのなかでも意識を向けてほしいなあ、とこれまで何度か意見交換の場でお伝えしてきました。

そうしたら、今回、研究テーマのなかに、外国人労働者の問題や定住外国人との交流について、というものがあって、「お、いいぞ!」とひとり心のなかで快哉を叫びました。労働者の問題を扱うのはなかなか大変かもしれませんが、現場の声なども聞きつつ、最後までしっかりまとめくれることを期待しています。

それから、帰り際にご担当の先生がいらして、
「今度、技能実習生や介護事業所で働いている地元の外国人に学校に来てもらうよう企画しています」
とのことでした。

これも素晴らしい(!)。是非実現してほしいところです。(・・・っていうか、MIAも何か関われないかな。ちょっと考えてみよう。)

文科省曰く、SGH事業の目的は「グローバルな社会課題を発見・解決し、様々な国際舞台で活躍できる人材の輩出」とのこと。「グローバルな社会課題」とは、なにも途上国の問題や環境の問題ばかりではなく、自分たちの身近なところにもあります。見逃されがちなで、でもとても大切な身の回りの「グローバル」なことについて、こちらの高校のSGHの取り組みを通して、より多くの生徒さんに関心を持ってもらいたいものです。

(OZ)

hoyaboya.bmp
気仙沼市観光キャラクター「海の子ホヤぼーや」




よもやまフライデー

 本日は月に一度のあの日だそうでございまして。

「とうちゃん、今日はプレミアムフライデーだね。」
「そうだな、きょうは特別美味い唐揚げだの天麩羅だのたんと食わせてやるからな。」
「・・・」
「プレミアムな揚げ物の日だろ、今日は。フライのデイってんだから。」
「・・・(また始まった)」

 ほぼリアルにこんな感じの我が家ですけど、まあそれはそうと、揚げ物の食べ過ぎには気をつけたいものです。


 さっき、日本語講座の初級1クラスの級友たちが休憩時間に廊下でこんな会話を交わしているのが聞こえてきました。原文は中国語ですが、日本語訳でお送りします。

「数字の数え方、20までは大丈夫だ」
「おお、すごい。」
「だけど、あの1日から10日までの読み方、あれが不規則でわけ分からん。」
「そうだそうだ。」
「あれはそうだと覚えるしかない。」

 まあ、そうですね。とりあえず覚えてしまった方が早いですかね。


 昨日の河北新報朝刊。外国人の介護人材に関する記事。

171026kahoku.jpg
介護業界試練の1年になるとの指摘。ということはおそらくMIAにもその試練の余波が来そうだな、と。来るでしょう。


 もうひとつ新聞記事。今日の産経新聞。

171027sankei.jpg
仙台市内でも多くの業界で留学生労働者が取り込まれ、戦力となっています。かつては大学で勉強する留学と日本語学校で学ぶ就学が在留資格上で分けられていましたが、それが一本化されたあたりからこの記事で取り上げているような問題が横行するようになった気がするのは気のせいかしら?

 そんなフライデーでございました。


とーます

翻訳るんるん

 おしごとで各種資料の翻訳を手配することがままありますが、みやぎ外国人相談センターの相談員さんや外国人支援通訳サポーターさんにお願いしてしまうことがほとんどで、我々はせいぜいそれの誤字脱字のチェック程度です。

 このブログでもきっと(例によってあまり覚えてません)再三書いてきたことだったような気がしないでもないのですが、翻訳はその「方向」によって難度がかなり変わります。スーパーバイリンガルサイア人でしたらどちらでもどんとござれでしょうけれど、そこまでではないと母語と外国語のはざまで「揺れ」ます。

 例えば、ぽんこつわたくし。母語日本語(ときどき不自由)、オトナになってから中国語をなまかじり。こういう人のバヤイ、中国語を日本語に翻訳するのはなんとかできるんですけど、その逆、日本語を中国語に訳すのはかなり困難です。

 外国語で作文するのってかなりたいへんなことです。「てにをは」を完璧に操る外国人は相当な学習に裏打ちされていますし、慣用表現、故事成語、時代のことば、時事ネタ、穏当なワードチョイス、ユーモア、これを外国語で完璧に再現するというのは母語を二つ持つぐらいの努力が必要になるのではないかと思われます。

 外国語を母語に翻訳することは、外国語の意味をある程度把握したうえで母語で再構築する作業なので最終的には整ったものを出力しやすいのです(誤読の可能性はあります)が、母語を外国語に翻訳するには、母語ですから原文は基本的に完璧に読めるはず(分野によってはちんぷんかんぷんということもありますけどね)にもかかわらず、外国語に再構築する際には瑕疵が生じやすい、整わないことが多いのでございます。ややこしい説明ですみません。

 翻訳は単純なことばの置き換えでは断じてありません。文法構造、語彙、歴史、風俗、文化等々の総体がことばですから、分かりやすいところでいえば単語レベルでも日本語は魚の名前が細分化されているけれど、言語Xはもっとざっくりした分類しかない、といった違いがあります。単にことばの置き換えで済まそうとすると、某自治体の多言語自動翻訳状態になります。ありましたね、以前「Itachi Masamune」と自動翻訳されて、それが「伊達正宗」だったってハナシが。いつの日か、人工知能が完璧に翻訳する日が来ることを私も否定はしませんが、それはまだ少し先のことではありそうです。

 いえね、だいぶ前置きが長くなってしまいましたが、中国語を日本語に翻訳する案件が出てきて、ついつい鼻息が荒くなってしまったのでした。とても難しいのですが、翻訳はとても楽しいです。るんるん。


とーます
※むかし、ある機械設備のコンピュータ制御について通訳(のようなこと)をさせられて、そもそもの日本語が全くの宇宙語だったので全く歯が立たなかった苦い思い出がよみがえりました。だって、なに言っているのか分からんのだもん。
※MIA日本語講座初級1は初日から「はじめまして」の練習をします。MIA事務所にてスタッフ相手に練習。フィリピン人相談員がお相手しています。
P1030379.JPG

台風一過

 愚息は昨日早々に本日の休校の連絡を受けて万歳三唱していたけれど、父は通常出勤。県内全ての在来線が運転見合わせている中、新幹線だけは通常通りの運行。わたくしの不徳の致すところでございます。長靴をぎゃぽぎゃぽ鳴らしながら、本日も出勤しましたですよ。午後からは晴れるらしいですね。

 これが明日以降でなくてよかったです。最近は、台風や悪天候の予報が出ると、先んじて公共交通機関が運休を決めるようになりました。また、学校も休校措置を講じます。MIAでも数年前からMIA日本語講座の休講についてルールを定めています。台風、大地震、大雪等の悪天候により、1.JR等公共交通機関が運休されたとき、2.公立学校が休校となったとき、これらを勘案してMIA日本語講座も休講とする、というもの。未成年のお子さんを抱えている受講生もいらっしゃるので、仮にJRは問題なく動いていても、公立学校が全て休校となると現実的には身動きがとれなくなりますからね。

 休講が決定されると、対象になる受講生全員に電話かメールで連絡をします。対応できる言語スタッフを全て動員し、日本人の家族を通じて、友人を通じて、連絡を試みます。過去何度か休講連絡をしましたが、MIAに提出していた電話番号が間違っていた人以外にはすべて連絡ができました。

 いまどきですからほとんどの受講生が携帯電話を持っています。ですが、日本語で電話の受け答えをするのは相当に難しいので、嫌がる人も多いです。ですので、授業中には電話をかける練習をしてもらっています。MIAにお休みの連絡をするシチュエーションで実際にMIAの事務所に電話をしてもらいます。そうすることでそれぞれの電話にMIAの番号が残るので、いざこちらから電話をしたときに「知らない人」扱いされずにすむという利点も兼ねています。

 休講になるとMIA日本語講座講師もたいへんです。カリキュラムが全て後ろ倒しになるため、せっかく準備していたところとは違う箇所を短時間で準備し直さねばならず、てんてこダンシングです。

 全くもって風が吹けば桶屋がいえーいなんです。「風」は吹かないに越したことないですけど、そうもいかず。不徳の致すところでございます。

とーます
※愛娘が来年の卓上カレンダーを買ってきてくれました。愚父への鞭撻ですかね・・・
2017102309430000.jpg
※ニュースで「たいふういっか」と聞いて、脳内でTyphoon familyと翻訳してまった人、挙手。

免税品が返品できない

 インバウンドが好調なそうで。

「インバウンドってのはなんでえ?なにかこう、ぴょんぴょんうさぎさんな感じ?」
「バウンドとは関係ねえよ。」
「わかった、さては、印旛沼の方面だな。印旛運動公園の省略とか。」
「おまえさん、しょうもないことをよくもまあ・・・そんなおかしな省略があるかい。それだったらふつうは『いんうん』とか『いんこう』、さすがにこれはまずいか・・・」
「ご隠居さんだって、おかしなことばかり言ってら。」

 日本に旅行で訪れる外国人が過去最高だそうでして。仙台駅で外国人を見かけることはごくふつうのこととなりました。やっぱりアジア系が多いですかね。仙台空港からLCCが台湾に飛んでますし、円安のおかげで外国から来ると日本は何でも安く思えるみたいです。それにおもてなしですしね、そのおもてなしってぇのはカオナシのことかい、「面無し」まさか。

 ともあれ、それだけ外国人旅行客がいるということでMIAでも小さな波がときおり「観測」されます。

 例えば、外国人旅行客を乗せたバスが事故に遭って、付近の病院に搬送され、治療が行われます。救急処置が終わったところで、病院も「はて、外国人の患者さんだとすると、どうやって治療のことをお伝えしようかしら?」なんてことになり、まわりまわってMIAにお問い合わせが来ます。MIAとしては、外国人支援通訳サポーターを派遣して、病院と外国人患者のコミュニケーションをお手伝いします。旅行客の場合、健康保険証を持っていないので、治療費の支払いについても確認を要します。先日、旅行保険に入っておらず、多額の治療費の借金を抱えたなんてニュースがありましたけど、旅行保険に入っていてもいったん自分で立て替えなんてこともあるので、まあいろいろあります。

 爆買いということばもいまはむかしかと思っていたら、先日こんな電話が外国人相談センターに。関東の某デパートで時計を買った。買った日のうちに開けてみたら表面が少し傷ついていて返品したいと申し出たところ、店側は免税品は返品ができないと言っている。その店の別のスタッフも傷を認めているのに、返品が認められないとはどういうことだ、百うん十万円もしたのだ。

 手が麺になりました、もとい、目が点になりました。ひゃひゃひゃひゃくうん十万ですと。5%の手数料でほにゃららと魔のフレーズが脳裏を一瞬かすめましたが、あいにく関東地方まで行くこともできないので、対応機関を探しお伝えしました。行けたらやるんかい。口だけです。弱いおぢさんほどブログで吠える。

 さすがに観光案内まではやっとりませんが、旅行中のトラブルのときもできるお手伝いはしております。できることならもっと幸せに旅行をしていただきたいものですが・・・


とーます
※今年も吉林省から県海外研修員がお見えになりました。昨日から、MIAで日本語研修をされています。北朝鮮国境沿いの長白朝鮮族自治県からお見えです。
PA190008.JPG

「石巻に吹くベトナムの風ーベトナム人技能実習生との交流会ー」は、100名を超える方にお集まりいただき、無事に終わりました。

当日の様子はMIAのfacebookに写真をたくさん載せているので、そちらをご覧ください。

この交流会は、石巻市の地域振興課さん、国際サークル友好21さんとの連携で取り組んだのですが、地元石巻でのさまざまな調整は両者にお任せして、MIAはそれ以外の役割を担うこととし、なかなかに良い連携プレーを実践できたのではないかと思います。

でも、もちろん一番の主役は、実習生と友好21の日本語教室の講師の方々。

交流会が終わって、皆さんがどんなことを感じているのか知りたかったので、簡単なアンケートに答えてもらったところ、関わった全員が「交流会を行って良かった」と肯定的な回答をしてくれました。良かった良かった。

ある実習生のコメント:
「とてもすばらしかったです。日本人とたくさん話しました。日本語を教えてもらいました。おきゃくさまにあいさつをしたとき、ベトナム語でシンチャオと言えました。しあわせです。」

「しあわせです」なんて言ってもらえて、こちらもしあわせです(!)

そして、準備から関わってくれた講師のコメント:
「準備に約1か月かかったのですが、その間の話し合いそのものが非常によい学習になったと思う。日本語での準備、日本語を使ってベトナムの文化、地理、その他を表現することの大変さを努力でやりとげたこと自体すばらしいと思う。」

本当に実習生の努力には目を見張りました。そして、それを根気強く支えてくれた方々もすばらしいと思います。

このコメントにあるように、「交流会」といっても、その時だけの「お楽しみ会」ではなく、日本人、ベトナム人、そしてそれ以外の国の出身の方々が集まって、日本語であれこれ話し合いながら準備を重ねていった、そのプロセスにも大きな意味があったのでは、と考えています。

地域の人たちに実習生のことを知ってもらう、というのが第一の目的で行ったこの事業ですが、それ以外に、企画・準備をしてきた側にもプラスのことがあって、それを感じての「交流会を行って良かった」という皆の感想なのであれば、とても嬉しく思います。

(OZ)


以下、FBには掲載できなかった、交流会前日夜の調理の様子です。(友好21の方に写真データをもらいました。)
IMG_0770.JPG
ベトナムでは男性もしっかり料理するみたいです。

IMG_0792.JPG
フォーのスープは丸鶏を使いました。私が「インスタントのスープのもととか使えないんですか?」と聞いたら、「そんなのあり得ない!」とのことでした。失礼しました!

IMG_0824.JPG
デザートのおだんごをみんなでこねます。

IMG_0785.JPG
仕事が終わってからの夜遅くまでの作業、本当にお疲れ様でした!



アウェイ感

 この時期、行事が相次いでおりました。

9月30日(土)MIA日本語サポーターステップアップ研修会 担当
10月1日(日)石巻に吹くベトナムの風 技能実習生との交流会 運転手兼お手伝い
10月3日(火)宮城県古川黎明高校1年生22名校外学習「災害と外国人」 担当
10月8日(日)国際交流フェスティバル@大崎市化女沼古代の里 ブース出展
10月10日(火)MIA日本語講座初級1・2クラス開講、同中級クラス開講 担当
10月11日(水)技能実習制度介護職種追加に関する説明会 出席

2017100812140000.jpg
※例年、大崎市化女沼古代の里で開催されている国際交流フェスティバル。


 ようやくちょっと落ち着きました。いえいえ、来たる介護セミナーに向けて、もっと勉強しないと、早く資料作らんと、毛を増やさんと。

 その介護事業者向けセミナー「外国人とともに拓く介護の未来」ですが、既にお申し込みが3ケタにのりました。やはり関心度は高いようです。申込みのFAXが届くと確認の意味で、お申し込みの事業所にお電話をしています。

「もしもし、宮城県国際化協会と申します」

あたしゃだいぶ鈍感な方ですけど、電話の向こうにはてなマークがいっぱい、もしくはおれおれ的不審がいっぱいの様子がありありとうかがえます。古いアルバムには思い出がいっぱい・・・なんでもないとりあえず言ってみただけ・・・

 介護の事業所さんが受けるお電話で「コクサイなんとか」なんて団体はきっとないんでしょう。以前のブログで医療機関に「宮城県国際癌協会」と聞き間違えられたことを書きましたが、やはり業界には業界の交流範囲といいますか、テリトリーといいますかがありますね。
 
 そんなこんなで、日々不審がられ続けておりますが、有難い不審でもございますので、これからも不審のほどよろしくお願いする次第。


とーます

新着図書のご案内(2017年10月)

10月に入り、秋が一日一日と深まってきてますね。

ブログをご覧いただいている皆様におかれましても、それぞれの実りの秋をお過ごしのことと思います。


当協会の図書資料室も、実りの秋を迎え、貸出図書がさらに充実いたしましたので、ご紹介します。


「日本語初級1 大地 文型説明と翻訳 ベトナム語版」

発行:株式会スリーエーネットワーク

 

「BJTビジネス日本語能力テスト公式ガイド改訂版」

発行:公益財団法人日本漢字能力検定協会

 

「新完全マスター語彙 日本語能力試験N3」

発行:株式会社スリーエーネットワーク

 

「日本語総まとめ N4 文法・読解・聴解(英語・ベトナム語訳)」

発行:株式会社アスク出版

 

ひと目でわかる!教室で使うみんなのことば(英語・中国語・ポルトガル語・フィリピノ語」

発行:文研出版

 新着図書H29.10.4.jpg

また、貸出件数の多い、

みんなの日本語 初級1 第2版 本冊」

みんなの日本語 初級2 第2版 本冊」

発行:株式会社スリーエーネットワーク

をもう一冊ずつ整備しております。



当協会図書資料室は、日本語の学習指導で必要とされる各種教材に特化して整備し、外国人に日本語を教えているボランティアの方々や県内の市町村日本語教室の方々を対象に貸し出しを行っておりますので、ご関心のある方は、当協会図書資料室にぜひ足をお運び下さい。

 

Sugar

 

このアーカイブについて

このページには、2017年10月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2017年9月です。

次のアーカイブは2017年11月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。