2017年1月アーカイブ

昔取れなかった杵柄

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 MIA日本語講座、4月から始まる新しいコースのチラシを準備しました。

1.日程を調整する(カレンダーを何度も指差し数える)
2.チラシデータを更新する
3.印刷する
4.仕分ける
5.封筒に入れる
6.封を閉じる
7.宛名シールを貼る
8.発送
9.ほっとする
10.お酒を飲む
11.気が抜ける
12.病気にかかりやすくなる
13.健康第一火の用心

 9番以降はいつものですから、なまあたたかくお願いします。

まず日程調整ですが、初級クラスは週4回の計60回、中級は週2回の計30回、漢字は週1回の18回、夜間初級は週1回の計20回。それぞれカレンダーを指差しながら、数えてみます。毎年同じようでいて、ゴールデンウイーク、祝日などの関係で微妙に前後します。また、お子さんがいる学習者もいるので、子どもが夏休みだからMIAに来られないという状況を極力回避できるよう配慮します。そして、こんなことを考えながら何度も何度もカレンダー上を指が行きつ戻りつするのですが、最終的にはじき出した日程がやっぱり回数が足りなかったり。時そばみたいな気分ですが、「いまなんどきでい?」とだれかが聞いてきたわけでもなく、完全なる自作自演です。

2のチラシデータ。さっせん、もう何年もデザインが変わっていません。なにせ日本語、英語、中国語、韓国語、そして次年度からベトナム語を追加して5言語もあるため、ちょっとデザインを変えるだけでたいへんな作業が伴います。同じ情報を多言語化すると、文字量が違うために(英語≒ベトナム語>韓国語>日本語>中国語)微調整が必要になったりなんかして、これもちょいと手間。ゆえ、ぼくのデザインセンスが活かせないのは非常に遺憾ながら止むを得ないので御座いまする。

次の印刷でもちょっとトラブル発生。なにせ、前世紀から使っている輪転機さんですので、いちどに2枚巻き込むわ、紙詰まり起こすわ、給料・・・じゃなくてインクよこせ、すぐに待機モードに切り替わるわ、となかなかのお嬢様ぶり、あ、もうBBAぶりと言った方がいい・・・時節柄、紙はたっぷり静電気を帯びていて、更に担当者が安い化学繊維の服なぞ着ているものだから、ああんもう。おっと、機械のせいじゃないのか、ひょっとして。

4の仕分け。現野党の仕分けとは関係ありません。封筒に入れる枚数はだいたい5の倍数なので、5枚ずつ数えて重ねていきます。そのときに、上記の印刷トラブルの検品を兼ねます。白紙、印刷不良をはじいていくわけです。しかし、2500枚もの紙です。このキングオブ上の空が漏れなくできるはずがない。それでも、ずいぶん白紙不良をはじきました。静電気がひどいのね。

5の封入作業。生徒大会とか遠足のしおり作るときと同じです。入れるものを並べて、ひと固まりずつ掴み取って重ねていきます。このとき、2回目の検品を兼ねます。ここでも多少の不良品を発見。

6はセロハンテープで封をするだけなのですが、テープの歪みは心の歪み。なぜあんなにくしゃくしゃになってひん曲がるのでしょう。

宛名シールもまっすぐに貼れない。ちなみに、ハンコもまっすぐに押せません。

 ダイレクトメールにはこれほどの工程と艱難辛苦がございます。かつて、製造業の現場でおしごとしていたとき、一作業員一工程ということを聞きました。作業員AはねじXを締める、Bは通電を確認する、CはカバーYをかぶせる、という風にずっとひとつのことだけやり続ける方が間違いが少ないということのようでした。ですから、上記のようにあれをしながらこれを確認みたいなのは間違いのもと。お手元に届いたチラシに不備がございましたら、つまりは昔取れなかった杵柄の所以ということで、ご寛恕くださいませ。


とーます

「倶楽部MIA」89号、発行しました

今回の巻頭インタビューは、塩竈市内の水産加工会社に所属しているインドネシア出身の女性技能実習生4人。当協会が本年度実施した「技能実習生と地域をつなぐプログラム」にご参加、ご活躍下さった方々です。

上記プログラムの情報や4人の実習生の感想は、「倶楽部MIA」89号でお読みいただくとして、プログラムを通じて、またインタビューを担当して印象に残ったのが、若い実習生の一生懸命な姿でした。例えば、インドネシアのダンスを披露することになった時はみんなで練習を重ね、インタビューでは自分の思ったことを何とか日本語で伝えようと頑張っていました。

個人的には、プログラムの一環として行われた塩竈市民向けの交流イベントで、インドネシア料理をつくって試食していただくため、実習生と日本人の「地域交流サポーター」の方々が一緒に料理をつくった時の様子が忘れがたいです。

つくっていた料理の中の1つ、「ナシクニン」(ターメリックやココナッツミルクを入れて炊いた黄色いご飯)というインドネシアではお祝いなどに欠かせないという料理が、水加減の問題なのか固すぎるという問題が発生した時、1人の実習生が蒸し器を指差し、蒸すことで問題を解決しようとしたことです。とっさの機転に、周囲の日本人が感心していました。

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     出来上がった「ナシクニン」。
   近くで見ると、かなり大きいかったです。

他にも、ミニトマトを上手に飾り切りにして小さなバラの花をつくる実習生もいて、お手伝いしていた日本人を感心させていました。

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   飾り切りでつくったかわいいバラの花

実習生の方々は、基本的な生活力やコミュニケーション能力が高いように思いました。そして、何かに一途に取り組んだり、「楽しかった」「こういうことがしたい」と臆せずに発言したりする姿に大きな魅力を感じました。

そんな実習生のインタビューが掲載された、「倶楽部MIA」89号。
どうぞ、こちらからご覧ください。

M

「宮城県市町村国際交流協会連絡会議」が1月25日(水)に、当協会で開催され、県内の7つの市町村国際交流協会から12人の方がご参加下さいました。

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        会議中の様子

「宮城県市町村国際交流協会連絡会議」は、県内にある市町村国際交流協会間の連絡提携や情報交換のために、当協会が毎年1回開催しているもので、今年は「新春賀詞・情報交換会」として、話を聞くだけでなく、ご参加の方どうしでご自由にいろいろなお話をしていただける時間を多く設けました。

まず、「国際交流協会と関わることになったきっかけ」に着目し、参加者1人1人にお話いただきましたところ、それぞれの方の生き方が垣間見られるようなお話となり、興味深い内容となりました。比較的多かったのは、「外国人とのふれあいを求めて」「英語の勉強をしたかった」というもの。中には、英語がご堪能なお友達がスキー場で外国人美女と親しく会話するのを見て英語学習への意欲を喚起されたエピソードを披露される方もいて、参加者におおいにウケていました。他にも、社会との接点を求めて国際交流協会に入った育児中の若いママさんなどもお話しになり、皆様、他の方の話を熱心に聞いていらっしゃいました。

ご参加の協会の中では、ユース部長以下3人の若い女性が参加した美里町国際交流協会が注目を集めていましたが、中でも、インド出身で、美里町在住、今や若き就農者として、全国的にご活躍のブシャン・アケボノさん(美里町国際交流協会役員・ユース副部長)が目立っていらっしゃいました。

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   発表中のアケボノさん

アケボノさんは、ご自分のお名前の由来を紹介したり、(まだインドにいらっしゃるときに、お父様がインドの新聞で、日本語の『あけぼの』という言葉を知って気に入って名付けたそうで、「インドでも、日本でも珍しい名前です!」とのこと)、また、美里町国際交流協会に入ったきっかけ(「農業していると年配の人とはたくさん知り合えるけれど、若い人とのふれあいの機会がないので、地元の若い人と知り合いたかった」など)とお話になったりしました。最近では、活動の幅が広がり、インド料理教室の講師のお声もかかるということも教えてくださいました。
※ちなみに、アケボノさんのインタビューが掲載された当協会機関紙「倶楽部MIA」は、こちらからご覧いただけます。

各協会から「次年度の目玉事業」の発表をいただいた後は、自由懇談の時間となり、お菓子とお茶を楽しみながら、参加者どうしで情報交換をしたり、親睦を深めたりしました。

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     交流を深める参加者の方々

ご年配の方々のお話は、時代背景も含めて大変興味深く、一方で、アケボノさんのようにどこまでも前向きで、率直に夢を語る若い方の話もまた刺激的で、それぞれ魅力があると思ったことでした。今回の会議が、ご参加の皆様の今後の活動のご参考になれば幸いです。

M

春節とパプリカ

 「前にも言ったかもしれないですが」が口癖です。歳を取る前から、過去の発言についての記憶が定かではなく、およそ政治家には向いていないと思いつつ(なりません、なれません)、今日も元気に「前にも言ったかもしれませんけど」と繰り返し、ブログをしたためまする。

 去年のいまごろのブログを見返してみれば、さてこそうだうだ書いておりました。春節って中華民族が一年で最も燃える行事ゆえ、出稼ぎ先から一斉に郷里に帰るなど民族大移動となります。ところが、最近では「恐帰族」なる春節の「帰」郷を「恐」れる方々が出始めているそうです。郷里に帰るとなれば、往復の旅費やら親戚や知人に贈り物を送ったり、宴会を開いたりと何かと要り様になるので、それが「恐」いということのようです。

 さて、宮城華僑華人同舟会の春節祝賀会に今年も参加してまいりました。今年は会場が松島文化観光交流館。震災後に中央公民館を改築してたいへん立派な施設に生まれ変わりました。

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中国駐新潟総領事館肖さんの来賓あいさつ。朝6時に新潟を出発して駆けつけられたとのこと。お昼過ぎにはとんぼ返りされました。

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歌あり、踊りあり、二胡、ピアノ、バンドの演奏あり。春節のころの中国では、この手の歌謡芸能番組が盛んに放送されてましたね。これをやらないと中華民族の新年が来ないのでしょう。


 第二部は会食。
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同舟会メンバーがこの日のために春節料理フルコースを準備されました。水餃子も温かいのをいただきました。ありがたや。

 最後に、ハズレくじ無しの抽選会がありました。ぼくには「パプリカ」が当たりました。とても大きくて肉厚のパプリカ5,6個。同舟会メンバーの中に農家の方がいらっしゃるのか、どこかから仕入れてきたのか。

 周囲の中国人に訊いてみました。
「パプリカって中国語でなんていうの?」

中国人A「青椒じゃない?」
とーます「それじゃ、ピーマンじゃないですか。青くないから、紅椒、黄椒ってあり?」
中国人B「あはは。じゃ、辣椒?」
とーます「パプリカ、辛くないっしょ。」

 日本に長らく暮らす中国人はパプリカの中国語が分からないようでした。パプリカはむかしの中国にはなかったということなんでしょうね。日本だってぼくの子どもの頃(前世紀)にはあまり見かけませんでしたから。赤ピーマンとかなんとか言っていたような、あれは別物?赤ピーマン黄ピーマン茶ピーマン。さあ、みんなでご一緒に。

 それで、20代のナウでヤングな中国人Cさんにも訊いてみました。Cさんは元MIA日本語講座受講生。

「あ、パプリカは甜椒と言いますよ。」

「甜」は甘いの意味です。なるほどね。甘ピーマンとでも言いましょうか。

 今年もお世話になりました。爆竹も白酒もない春節だったらこわくない。白酒は出てきてましたけど、遠慮しました。白酒こわい。


とーます

女子大学で右往左往

 国際分野のおしごとに興味を持っている女子大学生を相手に自分の経験を小一時間語れ。

 そんな下命があったのは先月のこと。昨年出版した自叙伝の抜粋を読み上げればよいかなと思いつつ、待てよ自叙伝がない、あったとしてもせいぜい3分で読み終わるほど薄っぺらぺら、ならばだれか立派なびじねすめーんの著作からステキなエピソードを引っ張っていこうか、いや聞いていた学生がSNSにアップして盗作がばれて炎上したらどうしよう、そもそも誰だか分からんおっさんのお話を聞きたいものだろうか否聞きたいはずがない、聞きたい人が誰もいないのにあれこれ考えても無意味ではないか、などなど思考は千々どころか万々、億々、兆々に分裂して、いつもの如く面倒くさくなって思考停止。駄目なメロスのよう。

 ときは巡り、語り部の日が来た。20年も前の微かな記憶、思い出補正済みのいささか美化された記憶、いやなことはすぐに忘れる都合のよさ、できたら少しはいいかっこしたいというスケベ心、脳内悪魔が耳元で静かな罵詈雑言をささやき続け、当日は破れかぶれの落ち武者の如し。いや、待て。その前にもっと大きな障壁がある。会場までひとりでたどり着けるかどうか。

 オファーをくださったM先生は直前まで講義のため、ひとりで会場に来いとのお沙汰。リュック背負って下駄履きでおにぎりを食べている坊主づくりの中年が構内にひとり侵入するところを警備員が黙って看過するはずがない。とりあえず、おにぎりを食べないこと、下駄を靴に履き替えること、きょろきょろしないこと、おどおどしないこと、もじもじしないこと、事前に小用を済ませておくこと、不審度90%オフ(当社比)で校門に突入しました。守衛さんに「来客」というレイを首にかけられ、鈴を付けられた状態。挙動不審の瞬間にこのレイが爆発するものと思い、むち打ち症みたいに首を固定して前だけ見て歩くようにしました。

 ちょっと早く着いたのでM先生指定の談話室で待ちました。当然ながら周囲は女子学生だらけです。じろじろと凝視しないようにしつつ、睫毛を逆立てる道具を繰る学生が視界に入って動揺し、数名の学生が囁く会話に耳をそばだてて「あのおっさんちょーうざ」といったNGワードが出てこないかどうか諜報に務め、15分の待ち時間がこれほど長いと感じたことはありません。視界を固定するために出した文庫本は、3行と読み進みませんでした。

 菌根冠婚。じゃなくて、キンコンカンコン。12時のチャイムが鳴ると同時に会場へ。でも、すぐに駆けつけてくれるはずのM先生が会場になかなか現れず、教室の前の廊下でしばし突っ立っていました。不審者と判じられ、いま立っている床に穴が開いて、猛獣がいる地下牢へとしゅるしゅる滑り降りていくスターウォーズみたいな場面を想像しました。むしろそうしてほしいと願いました。結局、ここでも8分ほど待っていましたが、一日千秋とはこのことと悟りました。ぼくは簡単に悟ります。後日、その悟りが幻だったことに気づきます。

 M先生は、ぼくを認めるとネクタイを締めてきたことを褒め、それ以外に褒めることがなかったのか、さっさと教室に入っていきました。小走りについていくと、授業が終わったばかりの教室に学生が15人ほど残っていました。お弁当を広げている学生もカップ麺をものして将にお湯を入れんとする学生もいました。M先生はそんな学生に向かって「いまからこの御方がおしごとの面白い話をするから聞いていきませんか。」と、気さくに声をかけていました。面白い話をするといって面白かった試しがどこにあるのでしょう。こういうときは日本的に「つまらない話をするからよろしく」でしょ、いや待て、ひとの話が面白くないとは何事だ、いやだって面白くないでしょ、ううむそうだよなあ、と脳内で盛んにぼけつっこみを応酬しながら彼女たちが教室から全員出ていくのかひとりでも残るのか、見守りました。M先生が、「なお、このお話を聞いた学生はなんとかかんとかポイントをやります」と買収したのが奏功したようで、15人みんな残りました。

 出囃子もなく、さあどうぞ!とM先生に促されて、その後なにを話したのか、いやなことは即刻忘れるため、ここに再現することはできませんが、留学したこと、その後意図せずサラリーマンになったこと、当時ブラックということばはなかったけれどブラックはコーヒーとデビルだけでいいと思ったこと、そんなことを思うままに吠えました。話しながら、いままで忘れていたことを急に思い出したりもしました。下戸だったのが中毒手前の状態になっていること、胃に穴が開いたこと、親の死に目に会いそびれそうになったこと(まだ生きてます)などなど。学生さんにとって面白いかどうかは諦め、大学卒業してからMIAに漂着するまでの10年を思い出す機会をいただきました。

 M先生が最後に「来週はとーますの同僚がいらっしゃいます。今日の話が面白かったら来週も来てください。」と学生さんに向かって言ったので、どうしても我慢できず「今日の話は面白くなくても来週は面白いはずだから来てくださいね」と口を挟みました。これじゃまるで「わたしのことはきらいでも・・・」っていうアイドルと大差ねえ。いや、大差おおありだ。

 こうして永い1時間が過ぎ去りました。どんなつらいことでも終わりが来ます。そのことを昨日悟りました。今朝、目が覚めてそれは気のせいだったことに気づきました。


とーます
※次のブログの予告。ヒントはこの写真。
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日本のごみ捨てはうるさい?

 先日のブログ「うるさい日本のごみ捨て」に書きましたが、MIA日本語講座受講生向けの特別講座「ゴミ・環境について」を先週開催しました。

 講師は「みやぎ・環境とくらし・ネットワーク(MELON)」の4R部会のみなさん。注文の多い担当者(とーます)に嫌な顔ひとつせず、ご対応いただきました。ありがとうございました。

 ウォーミングアップのために受講生のみなさんにいくつか質問をしました。

Q1「日本のごみ捨ては簡単?」
 初級クラスの受講生は難しいと答える人が多かったのですが、中級の方々はその辺りを既にクリアしているようで自分の国と似たり寄ったりだという反応がちらほらと見られました。

Q2「日本のごみの捨て方で困っている(困った)ことはありますか?」
 これはいろいろありました。ペットボトルの捨て方、ビン缶の分別、新聞雑誌の捨て方、牛乳パックは?領収書はどうすればいい、これ再生紙?・・・まあ、日本人だって大なり小なり困っているわけです。それと、分別するにも家が狭くて大変だというご意見も。ワンルームにお住まいの方なんかはたしかにたいへんですね。ベランダが仕分け場になってたりしますよね。

Q3「ごみの捨て方が悪くて近所の人に怒られたことがありますか?」
 やさしく教えていただいています、という回答の一方で、出すのが少し遅くて回収に間に合わなかったごみを町内会の人かだれかが中を開けて確認して返しにきたことがあったというエピソードも聞きました。ごみには見られたくないものもあるのでショックだったと言います。時間や分別のルールを守らなかったのはよくないことですが、いかにして守っていただくか、そこは少し考えものですね。

Q4「あなたの国のごみの捨て方はどうですか?」
 日本では燃えるゴミ(仙台市でいう家庭ごみ)は週2回程度が一般的ですが、毎日回収しますというところもありました。暑い国はそうしないと臭いが深刻ということもあるかもしれません。また、集積場がなくてごみ収集車が来たときに直に出すという台湾の例も面白かったです。これならカラスにつつかれる心配もない。「昼間働いている人は困るんじゃないですか?」とさらに質問したら、「回収は夜です」との回答。ゴミ→行政のおしごと→平日昼間という思考が見事に覆されました。利用者の方便と効率を考えたらそうですよね。なるほど。

 こんなやりとりを前半30分ほどやってから本題。基本原則を簡単にレクチャーしたあとに、実践。リアルなごみをみんなでやいのやいの言いながら分けました。

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 受講生、MELONのみなさんに質問攻め。「外国の商品だとリサイクルの表示がないけどどうすればいいの?」など「らしい」質問も出てました。ちなみに、リサイクルマークはリサイクル費用を業者が負担していることを表しているものでもあるので、マークがないものは原則リサイクルしないのだそうです。故、外国製の缶やプラスチック(リサイクルマークがないもの)は原則燃えるごみ(家庭ごみ)で!FA、ふぁいなるあんさー。

 最後にMELONから受講生にプレゼント。これなーんだ?

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 ゲコゲコガエルと言います。筒の中にカエルが入っていてゲコゲコ鳴きます(うそ)。棒と糸がこすれる摩擦音を糸電話の原理で竹筒の中に伝え、竹筒が共鳴して、「ゲコゲコ」とカエルが鳴いたような音を発するむかしの玩具です。この竹は仙台七夕で使用されたものの再利用だそうで、4R部会の面目躍如といったところ。「ゲコゲコ」に目を白黒させる人、「ゲコゲコ」の音に合わせてカエルのまねをする人、そのまねを見て「げこげこ」大笑いする人、たいへん受けました。スペインにはこれと同じ玩具があるそうで、恐ろしく巻き舌を駆使するお名前でした。「かーrrrrrrrらっ」とかなんとか。おそらくその巻き舌音がゲコゲコを表しているのでしょう。前回ブログの写真はげこげこ大笑いの図でした。

 ゴミ処理は日本に暮らすその日から発生する課題です。単に捨てるだけでなく、そこにリサイクルという概念を投下するため、日本人でさえ行政が思うような処理を徹底できてはいません。それを外国人住民にも理解徹底してもらうためには、単に多言語翻訳されたごみ分別パンフレットを配ればそれでいいのか?それさえない自治体、行政区ではどうすればいいのか?示唆に富む特別講座になりました。

 おまけ。アメリカ人Aさんからの質問。「アルバイト先では業務用のごみ袋を使っています。業務用だって分別をした方がいいはずなのに上の人からは『いいからみんな同じ袋に入れなさい』と言われます。ほんとはどうした方がいいのでしょう?」

 リサイクルってコストを考え出したらできないことです。労働時間を減らし、アルバイト代を抑えようとするとリサイクルがないがしろになる好例でした。一般家庭においても、リサイクルは面倒くささと天秤にかけられているような気がします。そのためにも、分かりやすいルール、ルールの分かりやすい提示、そして意義の分かりやすい提示が必要なのだなと改めて思いました。
 

とーます

ブラジルの呼び水

 一昨日のブログで近い将来日本人が外国に移住するようになるかもね、ほんの50年前はそうだったわけだし、なんてことを書きましたら、それが呼び水になったかどうか、ブラジルからの便りが届きました。

 県社会福祉協議会Oさんからの電話。

「ブラジルから被災地を訪問したいといったおはなしがこちらに来ました。語り部とかそういうのだったら手配できますが、こういうのはMIAさんにご協力をお願いした方がいいかなと思いまして。」

 これまで被災地視察ツアーのアレンジや通訳の手配はさまざまな形でやってきましたので、まずは詳しいおはなしを聞いて何かお手伝いできるかどうか考えようと思います。

 にしても、この方々。「日本の歴史を知る会」というグループでメンバーはサンパウロの日系2世、3世、4世。来春「明治維新」をテーマに縁のある地を巡る旅をするそうで、日本を文字通り縦断するみたいです。

 お手伝いできるかどうかも分かりませんが、楽しみです。


とーます
※呼び水とは、そもそもポンプと関係しているようですね。ポンプ世代の方々には当然のことなんでしょうけれど・・・知りませんでした。
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※昨日のMIA日本語講座中級クラス。みんなで笑っていますが、その理由は・・・次のブログに書きます・・・おそらくたぶんきっとかもしれない・・・



はじめてのゼロ・・・か?

 別に「永遠の0」を意識したわけじゃありません、って意識してるからこういうこと書きたくなるわけじゃん、ぐすん。

 毎年この時期、MIA日本語講座の講師募集を行っています。今日がしめきりの日なのですが、いまのところ音沙汰なし。ゼロだとすれば講師募集を定期的にするようになって以来、初めてのことです。

 昨今の報道、日頃のおしごとで漏れ聞くお話によれば、日本語学校の学生が急増しており、先生も不足しているようです。その「あおり」が「はじめてのゼロ」なのかもしれません。

 日本語学校といいますのは、「日本で日本語を学ぼうとする外国人のための学校。修業年限1ー2年。多くは各種学校であり、留学ビザが必要。(デジタル大辞泉より)」とありますように、専門学校の一種と見ていただいてよろしいかと思います。入学については概ね高校卒業程度の学歴が求められ、在留資格「留学」の申請をして、認められれば晴れて「留学生」として来日、入学できます。

 ところが、「(昨年)11月7日現在で法務省に告示された(日本語)学校は全国で568校あり・・・(中略)。政府は20年を目標に「留学生30万人計画」を掲げるが、所管する官庁が不明確で、長時間就労を助長する学校の存在も表面化するなど、質の向上・確保が課題となっている。(2016-12-09 朝日新聞 朝刊 群馬全県・2地方)」とありますように、日本語学校の学生の中には日本語の学習よりアルバイトに重きを置いていると思われる向きが少なからずあります。

 留学生(在留資格「留学」を得て日本に滞在する外国人)は、学業が本分であり、原則就労は認められていません。ただし、資格外活動の申請をすれば、週28時間の就労が認められます。この主客顛倒がどうやら起こっているようで、アルバイトには熱心に勤しんで学業はさっぱしという「留学生」の温床に一部の日本語学校がなっているのではないかと指摘されています。

 週28時間という資格外活動も複数の働き先で働くことで規制の目を掻い潜っているようです。この点、マイナンバーがしっかり機能するようになる来年度以降、いまより適正に管理できるようになるのかどうか注目されるところです。

 一方、日本の産業界がこのような労働力を求めていることも事実です。日本語が多少不自由であっても働き手を求めている業界はたくさんあります。MIAの日本語講座の受講生の中にも、お弁当工場、食品加工場、クリーニング工場、宅配業、コンビニエンスストアなどなど様々なところで働いているという現実があります。

 膨張し続けてきたサービスがここにきて、限界を迎えつつあるのでしょう。夜中3時にお弁当が買えること、早朝6時にファミリーレストランで朝食が取れること、電話一本で指定の時間に無料で再配達の荷物が受け取れること、どれも便利には違いありませんが、そのサービスに従事する人手が確保できなくなっていて、そのサービスの需要がおそらくは所得の右肩下がりと連動して伸び悩んでいるわけですから、考え直す時期にあるのだと思います。外食産業の一部ではすでにそうした動きが始まっています。個人的には、タクシーの深夜割増料金と同じ考え方で「深夜税」を導入したらいいんじゃないかと半分真面目に考えます。だって、夜の時給の方が高いわけだし。

 最近、MIAの業務が世の中の動きとけっこうリンクしているのだなと感じることが多くなってきました。日本語学校の学生や技能実習生に向き合う業務が確実に増えました。

 あるいは、いまから50年、100年先には、いやそれより近い将来かもしれませんが、MIAの前身「宮城県海外協会」のように日本人が外国に移民する業務に関わっているかもしれません。いまは日本に外国人労働者が入ってくる時代ですが、その時代だっていつまで続くものか分かったものではありません。ほんの5,60年前、日本から南米にたくさんの移民が渡っていったのですから。


とーます
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※最近お気に入りの「仙台弁こけし」。「ぐずらもずら」と「なんだりかんだり」が特に好きです。

バースデイケーキが届きました

先日、MIAの職員の1人が誕生日を迎えたということで、MIAのタガログ語相談員Dさんから、昨日、お祝いのケーキが届きました。

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驚いたのは、その大きさ。奥写っているノートパソコンの大きさをお考えいただいたらお分かりいただけるかと思いますが、とっても大きく、職員からは「40人分くらいあるね」「ウエディングケーキですか」といった声が上がりました。

「ぜひ、MIA日本語講座の学習者の皆さんにも召し上がっていただきたい」というケーキをもらった本人の希望で、今日、MIAで行われていた午前と午後の計4クラスで学習者の皆さん(と講師の先生)にお配りしたところ、このように大変喜んで下さいました!

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学習者の皆さんからは、「今日は日本語の勉強もできて、ケーキも食べられて、すごく楽しい」「ケーキ、おいしい」といった声が寄せられ、好評でした。

学習者の中には、午前、午後で複数のクラスに在籍されている勉強熱心な方もいらっしゃいます。そのうちの1人は、「朝、1個食べました。もう1個下さい」と上手な日本語で笑いをとっていました。また、バースデイケーキということが分かると、バースデイソングを歌ってお祝いして下さるクラスもあったりして、ちょっとした誕生日会のようでした。

Dさん、すてきなプレゼント、ありがとうございました。

M

うるさい日本のゴミ捨て

 来週、MIA日本語講座の初級1・2クラスと中級クラスでそれぞれ「ゴミ・環境」について特別な勉強会を行います。「公益財団法人みやぎ・環境とくらし・ネットワーク(通称:MELON)」のスタッフにお越しいただき、ゴミの分別の実践や個別の疑問に回答していただく予定です。先日、最終打ち合わせに行ってきて、大枠が固まりました。

 担当とーますは前座として受講生のみなさんにいくつかの質問を投げてみようと思っています。

 例えば・・・

・日本のごみ捨ては簡単ですか?
・ごみのことで地域の方々から叱られたことはありますか?
・ごみの捨て方で分からない(分からなかった)ことはありますか?
・エコバックは使っていますか?

 日本のごみの分別はかくかくしかじかであるから、覚えて実践してくださいね!というのがいちばんのめあて(最近の小学校でよく使われることばながら、個人的にはちょいと違和感あり)にはなりますが、そもそも日本に暮らす外国人はごみの分別、ゴミ捨てのお作法についてどう思っているのか、あまり聞いたことがありません。「外国人がゴミ捨てのルールを守ってくれなくて・・・」と相談、苦情をいただくこともときどきありますが、苦情の矛先の外国人はおそらくルールを意図的に無視して狼藉をはたらいているとはあまり思えず、単に知らないだけ、自分が知っているおくにのルールでやっているだけではないかと想像していますが、果たしていかに。

 日本の環境行政もここ数十年で急激に変化していまの形になっていますし、いまの仕組みが未来永劫踏襲されていくものでもないでしょう。また、それぞれの国のごみの処理方法もさまざま、どっちが進んでいる、どっちが遅れていると一本のものさしで軽々に決められることでもないでしょう。

 今回のプログラムで我々もその違いを知ることができたらと思っています。

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※一昨年に開催したごみの捨て方講座。


とーます
※バックトゥーザフューチャーみたいになんでも燃料にしてしまう動力エンジンとか、ひとつの技術革新で世の中は一変しますからねえ。ぼくの命がそれに間に合うかどうかは不明ですけど。
※基礎資料として受講生が在住する市町村のごみ分別パンフレットを集めてみましたが、率直に言っちゃうとやさしくないんですよね。ポイントがはっきりしない、網羅的、ひとことで言っちゃうといかにもお役所的。
※非常に分かりやすいゴミの分別資料があったらおしえてください!

Steveさんからのお年賀

あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。

さて、MIAには週1回、宮城県の国際交流員(CIR)が来て働いています。
2人のCIRが3ヶ月交代でMIAに来て、翻訳などの仕事をしているのですが、
そのうちの1人、Steveさんが、現在はMIAでの勤務はない時期であるにも関わらず、
今日、勤務先の宮城県庁からわざわざMIAに年始のご挨拶に来てくれました。

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お年賀も持ってきて下さり、MIAの職員みんなにプレゼントしてくれました。

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お年賀の中身は、こちら。

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「ミントチョコ」です。
お母様秘伝のレシピで、Steveさんが手作りしたそうです。
お味の方は...
(私自身はまだいただいていないのですが)、食べた職員によると、
作ったご本人同様の「さわやかな甘さ」だったそうです。
Steveさん、ありがとうございました!

ちなみに、年末年始のお休みに、故郷のカリフォルニア州の実家に帰っていたSteveさん。
実家で飼っている2匹の猫のうち、「ルーシー」という猫がSteveさんになついていて、
とってもかわいがっており、アメリカに帰ったのはその猫に会うのも大きな目的だったそう。
変わらず、Steveさんにまとわりついて離れなかったそうで、Steveさん、かわいい猫と再会
して久しぶりに一緒に過ごせて、本当によかったですね。

M
仙台白百合学園高等学校の生徒4人がカンボジア人の留学生にインタビューをしにMIAにやってきました。仙台白百合学園中学・高等学校は、スーパーグローバルハイスクールに指定されています。彼女たちは、グローバル・サーバント・リーダープログラムに参加し、カンボジアの教育について探究を深めています。

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最初は、自己紹介から...。
みんな少し緊張気味です。
みなさん、教育に関心をもってこのテーマを選ばれたようです。
とても流暢な日本語で話す留学生Mさん。
現在、工学部で機械について勉強中。
日本留学のきっかけは、ロボット(ASIMO)だったそうです。
カンボジアでは、英語が母語と同じくらい重視されていて、学校が終わってから、
塾(英語学校)でも英語を勉強するそうです。
なぜなら、大学のテキストは、すべて英語。
子どものときから、塾に通って勉強していたということです。
カンボジアの教育は、都市と地方に格差があり、学校があっても、教師がいなかったりすることもあるとか。
また生徒数が多すぎて、学校は午前と午後の二部制になっているようです。
お昼は、自宅に帰ります。
その時間には、日本のアニメ「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」が放送されているとか。

生のカンボジア人の声を聞けて、彼女たちも大満足だったようです。
はじめは、どんな人が来られるのか、話は日本語で通じるのか、とても不安があったようですが、Mさんの丁寧かつ流暢な日本語で、とてもよいインタビューができたとのこと。Mさんの具体的な話を聞いて、思い描いていたイメージに色がついたようだったとの感想も。このあと、彼女たちは、具体的な教育プログラムを作成していくそうです。

情報検索で調べるだけでなく、実際にその国の人に会ってお話を伺えたことはとても貴重な体験になったのではないでしょうか。
Mさん、ご協力ありがとうございました。


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Q太郎ママ


カレンダー

 早いもので今年もあと残すところ360日を切りました・・・っていつも通りのとーますでございます。なま温かく白目をむいてくださいまし。

 いまはむかし、12月ともなればあちこちからカレンダーが届いて使い切れなくてオウジョウして暦を粗末にするのも忍びなくこっそりどんと祭でお焚き上げしたりしなかったりしたわけですが、最近ですとそれほどないですかね。我が家は3,4本だったかな。あちこち貼るには足りず、買い足したりするわけです。

 MIA事務所と教室も12月末にひととおり張替えをしました。MIAに届くカレンダーもひところに比べれば減ってはおりますが、印刷業者さんなどからまだぼちぼちはございます。日本語のクラスでカレンダーは必須で、初級クラスの受講生に日程を示すときなどはカレンダーを指差しながらお伝えするのがいちばんなわけで、とにかく文字が大きくて分かりやすいものを選んでおります。

 MIAのお隣さんの某事務所さんは業界柄たくさんのカレンダーが集まって使いきれないらしく、年末になりますとそれがごそっとMIAに届きます。

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 冬休み明けの教室で日本語講座受講生のみなさんに大盤振る舞いします、完全に他人のふんどしですけどね。そういえば、この他人のふんどしで相撲をとるということばを翻訳するのに困って、他人のパンツでレスリングをするとかなんとか訳してひどく不潔に思われたといったエピソードを米原女史が書いておりましたな。

 さあ、本日午後の漢字クラスからお配りします。早い者勝ち。かつて祖父母宅の居間に掛けられていたザ日本庭園みたいなカレンダーが外国人諸氏には好評だったりします。また、動物者も人気がありますが、これは万国共通でしょうか。


とーます
※世界は広いからどこかに蛇カレンダーとかモグラカレンダーとか螺子釘カレンダーとかそういうごく一部の方よだれたらたらのカレンダーもきっとあるのでしょうね。
※今年の我が家にはさかなクン自筆のおさかなカレンダーが登場しました。年末の懸賞で当たりました。
今年度の「MIA日本語ボランティアセミナー」の募集を開始しました。

今回はちょっと視点を変えて、「活動のためのヒントを心理学の面から探ろう」という内容になっています。

言葉学習をサポートする、文化背景の異なる人たちと関わる。こうしたときに心理学的な知見が大いに役立つと思われます。

講師はMIAで長らくインターンをしている臨床心理士の一條さんです。

一條さんは定住外国人のメンタルヘルスについて研究をしていて、ストレス・マネジメントや外国人相談員のための研修で数多く講師を務めています。

その研修の一つでお話を聞いているときに、
「あれ、この知識って日本語学習支援活動にも活かせるのでは?」
と思い至り、今回の企画となりました。

日本語ボランティアを対象とした研修で、このようなテーマを取り上げるのは、おそらくとても珍しいです。

非常に興味深いものになると思うので、たくさんの方のご参加をお待ちしています。

セミナーの内容はチラシをご覧ください。
(画像をクリックするとPDFファイルが開きます)

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(OZ)

「まほろば」を翻訳する

 最近はどこの自治体も外客誘致に熱心でございまして、インバウンドというんですかね、インバウンドと聞くとなんだかやたらと跳ね回っているイメージが脳内を飛び跳ねておりますけど、ともかくインバウンドに関係する問い合わせや依頼が明らかに増えています。

 こないだも某駅内のお店から外国人旅行客向けのキャンペーン資料の翻訳を頼まれました。MIA外国人支援通訳サポーター登録者でいつもご協力いただいているKさんにお願いしたところ、ほどなくメールで返信がありました。

「資料内に『免許品』とあるんですけど、これっていったい・・・?」

 ああ、それね。免税品の間違いじゃね?なんて知ったか仮面をやりかけて、いや待てよ、念のためと依頼者に問い合わせてよかった。煙草とかお酒とか販売に免許が必要なものをこう呼ぶらしいんですね。むかしは塩もそうでしたね、たしか。知ったか仮面改め分かった仮面は安心してKさんにご説明しました。

「分かりました。では、煙草とお酒と書いた方がきっとわかりやすいですね。」

 よい翻訳者は原文をよく読む、これはニーチェが言ったはずはないと思いますが、だれが言ったかさておき、まあそうですね。

 そして、そのブーメランは原文に返ってきます。前に「まちかど年金事務所」の「まちかど」をどう訳すかを議論(揶揄?)したブログを書きましたけど、翻訳ができない、とてもやりにくいことばというものがあります。

 今回、翻訳者を悩ませたのが「まほろば」ということば。これ、たしかにあちこちで使われていますが、よく意味が分からない。日本に古来からいる在来種のロバですとかなんとかでっちあげるのは18番ですけど、そういうのじゃなくて。ある町のキャッチフレーズ、「まほろばの里」とかなんとか。

 恥ずかしながら辞書を引けば、古語で「優れた立派なところ」「理想郷」といった意味、らしいです。勉強になりました。だけど、このことばを"MAHOROBA"とローマ字で表記したところで、メキシコかどこかの地名にしか見えないし?、かといって「ユートピア」「桃源郷」みたいに意訳してしまうと、これはまるで別物だし。

 こういうのってどの言語にもありそう、つまりこういう場面ではこのことばが耳触りがよくて座りがいい式の。だから、翻訳者に完全に委ねてしまうか、原文もとに「翻訳不可」とお返しするか。翻訳は楽しいものですね。愛燦々風。


とーます
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※冬休みの思ひ出。ほんとうに久しぶりに麻辣火鍋を食べました。以前、素を香港人からいただいていたのでした。あまり辛くないと油断して唐辛子やら花椒やらを油断し放題でがっついていたら、翌日はほぼ日中ずっと腹痛でした。美味かったです。

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