2016年5月アーカイブ

日本語サポーター活動

 地域に暮らす外国人に日本語を教えるボランティア活動、MIA日本語サポーターには毎年多くの方にご登録いただいています。今年もこうした日本語ボランティア活動に関心を寄せる方を対象とした研修会、「MIA日本語サポータービギナー研修会」を実施します。ぜひご参加くださいませ。

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MIA日本語サポータービギナー研修会
日時:2016年6月29日(水)13:00?16:00
場所:MIA交流ラウンジ(仙台市青葉区堤通雨宮町4?17宮城県仙台合同庁舎7階)
講師:鈴木英子さん(MIA日本語講座スーパーバイザー)
内容:地域の国際化と日本語ボランティア活動について、外国語としての日本語、やさしい日本語について、日本語学習教材の紹介について
申込:定員20名(先着順)事前申し込みが必要です。
問い合わせ・申し込み:MIA

 最近の日本語サポーターさんとの四方山を少し。

 X市に住むイギリス人英語教師Mさんのサポートをお願いした日本語サポーターTさんから。適当な学習場所がなくて困っていますと相談がありました。仙台市内ですといくつか平日夜でも土日でも利用できる公的施設があったりするのですが、それ以外の市町村ですとなかなかそういう場所がないのは事実です。さらに、TさんはX市民ではなく、おとなりのY市民のため、X市の施設についてもあまり分からないとのこと。そりゃそうです、隣町の公民館がどこにあってどんなところかなんてふつう知らないですよね。というわけで出動!?Mさんの住所に近いと思われる公民館に突撃となりの晩御飯じゃなくて、お問い合わせ。電話に出られた方はとても気さくな方で、こちらの説明をひとしきり聞いた後で、

「うーん、ちょっとこちらX市にはそういうところはないかも知れませんねえ。うちの街、公共施設全然だめなんですよ。市民の方からもそういったクレームがいろいろありまして・・・」

途中から我が町自慢ならぬ我が町卑下が始まって、こちらが恐縮しました。限られた予算の中で良き市民サービスをと言っても難しいですよねえ、たしかに。フリースペースみたいなところは、特定の人にフリーに使い尽くされたりする不幸な事例もありますから。

 別のお話。Z町から日本語サポーター紹介の申込みが来ました。申込者は韓国人男性Lさん。企業内転勤で来られたのだとか。あいにくZ町には日本語サポーターの登録者がおらず、隣町の日本語教室に声をかけるも対応できる方がいらっしゃらないということでさてどうしたものかと思案しました。Z町には韓国語の通訳サポーターで登録いただいているAさんがいたので、事情を説明し、誰か協力してもらえる人がいないものかどうか相談してみました。

「わたしが以前町の公民館で講師を務めていた韓国語教室に来ていた方に聞いてみます。」

と、Aさん。その日の午後にAさんから電話が入り、Oさんという方にご協力いただけそうとのこと。Oさんは定年退職された60代の男性で、娘さんが韓国に嫁がれたということもあり、韓国語を少し学んだこともあるそうです。先日、LさんとOさんが初顔合わせをしました。通訳としてAさんにも同行いただきました。日本語があまりできないLさんは職場でもあまりコミュニケーションがとれず、少しさびしくされていたようですが、会社でも狭苦しい社員寮でもない震災後に建築された新しい公民館で久しぶりにたくさん会話をしてとてもリラックスしていたようだとOさんも喜んでおられました。夏には娘も孫を連れて韓国から帰ってくるからそのときはおまつりにでも一緒に・・・とOさん。

 もひとつ別のお話。数年前にインドネシア人の技能実習生の日本語サポートをお願いしたYさん。しばらくしてからYさんに近況を聞いたところ、最初に紹介したインドネシア人から聞いたという他のインドネシア人も来るようになり、10人を越えるインドネシア人を教えていますとおっしゃり、びっくりしました。技能実習生は数年で入れ替わりますが、その後輩たちもYさんのところでお世話になっています。そんなYさんから、

「今夏にインドネシアに行ってこようと思います。帰国した子たちにお招きされてねえ・・・」

とお聞きして、またびっくり。よほどハッピーな関係ができていたのでしょう。

 日本語を教えるボランティア活動ですが、ただ日本語を教えるというだけのものではないのだなあとこのおしごとをしていると感じます。


とーます

中国語を聞くと疼きます

 5月22日(日)、個人的にはダブルヘッダーおしごと。しかし、このダブルヘッダーのヘッダーってなんじゃらほい?調べてみたら、1900年代のアメリカの蒸気機関車に語源ありという説が出てまいりました。重すぎてひとつの機関車(ヘッダー)で運べない貨物車両でも2つの機関車(ダブルヘッダー)なら運べる、とまあこういうことのようです。あれ、なんの話だっけ。そうそう、5月22日。

 午前は東北大学国際祭り(川内キャンパス萩ホール前)に参加しました。昨年同様、白石市国際交流協会、松島町国際交流協会のみなさんと共同ブースでした。片倉小十郎は相変わらず大人気でしたし、すばらしい陽気のもと、たくさんの交流がありました。ダブルヘッダーの関係で12時半までしかいられませんでしたが、たくさんの方にお会いできました。

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※白石市国際交流協会、松島町国際交流協会のみなさん。今年もたくさんの方にお越しいただきました。

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※小十郎と記念撮影。この子どもはやたらと怯えていました。

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※台湾出身のKさんが友人とともに南三陸からいらしてました。とても元気そうでなによりでございました。

 そして、午後の部。MIA外国人支援通訳サポーター登録前&スキルアップ研修会のため、エルソーラ仙台大研修室(AER28階)に移動。地下鉄ができて、川内からの移動は便利になりました。今回は、新規登録の方がわりにたくさんいらして、中国語の登録者が特に多かったです。日本人の中国語話者も数名いらっしゃいましたし、中国人も多数新規登録していただきました。中国人は、宮城華僑華人同舟会のネットワークがじわりじわりと浸透してきているようです。MIA日本語講座で以前学んでいたNさん、Oさんも新規登録されました。うれしいですね。そんな晴れの門出というのとも違いますが、研修一発目のテーマが「結核」で、みなさん驚かれたんじゃないですかね。感染を防ぐ特殊マスクを参加者全員で試している図はなかなかの迫力でございましたことよ。

 本日、保健医療通訳サポーター中国語の自主学習会の日で、22日に新規登録いただいた方が多数新たにご参加いただきました。

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 中国語学習会のコーディネーターKさん、今日は新しい参加者が多いのでということで痛みに関する表現を取り上げたそうです。きりきり、ずきずき、ひりひり、いろいろありますからね。写真撮りに行ったはずが、「疼と痛はどう違いますか?」なんて口を挟んでしまいました。ぼくも参加したい。


とーます

外国籍の子ども、高校へ行く

 外国籍の子どもが日本の学校で勉強するのは簡単なことではありません。文字(特に漢字)、語彙、ヒアリング、会話、作文・・・こうしたことを全くゼロから積み上げるわけです。例えば、去年MIAの日本語講座に通いながら今春の高校入試に向けて取り組んでいたKくん、Sさん、Lさんは、3人とも中国の中学の途中で、または卒業してから来日し、わずか1年ほどの時間で日本語を学習し、高校受験の勉強をし、その後の学校生活が送れるだけの日本語や教科の基礎を学びました。もちろん、外国の学校にも英語や数学はあります。アルファベットや数式は万国共通です。が、設問は日本語です。この日本語が日常レベルの日本語ではありません。

「次の設問に回答せよ」

「次の」は分かっても、「設問」って?回答せよの「せよ」ってなんですのん?学習の現場で使われていることばは日常とは違います。そういったものをわずかな期間で習得しなければ、太刀打ちいかないわけです。

 日本の学校の先生たちの間では、そのような日本語学習途上にある外国籍の子どもが教室の中でうまく受け答えられなかったり、日本人の子どもと同じように反応できなかったりといった様子を見て、「この子は発達障害ではないか?」といぶかる向きもあるようです。昨今、発達障害について認識が深まり、教育現場でもそのような視点をもって対処されるようになってきていて、それはおおむね良い傾向にあると思います。ですが、先の外国籍の子どもに対する見立てなどを聞くと、生兵法は大いなる不幸だなとも思います。アウトプットが発達障害のそれと同じであっても、起因するものが同じかどうか、それは生半可な知識で判断すべきではありません、言うまでもなく。おそらく外国籍の子どもに対する認識、経験値があまりに不足しているからなのでしょう。

 ともあれ、Kくん、Sさん、Lさんは3月の入学試験を突破し、4月から宮城県内の高校にそれぞれ通っています。MIAとともにかれらをサポートしてきた外国人の子ども・サポートの会の方から「その後」を聞きました。3人ともしっかりと高校生活を送っているそうです。Kくんは「日本の学校は怖い、いじめられそうだからいやだ」などと以前は言っていましたが、いまでは友だちもたくさんできて「超楽しい」のだそうです。がんばったからこそ得られる楽しさでしょう。
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※今年2月のMIA日本語講座閉講式にて。Kくん、Sさん、Lさんもこの中にいます。

とーます


走りながら後日談

先日のブログ「走りながら」の後日談。Cさんから電話。

C「Cです、とーますさんですか?」
とーます「はい、とーますです。こないだの病院のことでまた通訳必要ですか?」

C「いえ、そのことで報告があります。」
と「はい。」

C「おばあちゃんは肩が痛いというので整形外科に連れていって痛み止めをもらっていたりもしたのですが、全然効かなくって・・・それで、こないだ紹介してもらったZ病院で検査を受けたら、結果が出ました。」
と「・・・どうでしたか?」

C「癌でした。それも末期の。そのままにしていたら3か月から半年、治療しても1年と言われました。」
と「・・・」

C「兄が西日本に住んでいるので、これからは兄のところで治療しながら過ごすことになりました。」
と「そうでしたか。」

C「あのとき、Z病院をご紹介いただけたおかげでいまの病気が分かり、それまで飲んでいた痛み止めの薬が効かない理由もはっきりしました。ありがとうございました。」
と「いえいえ・・・」

C「これからもよろしくお願いします。どうもありがとうございました。」
と「いえいえ。Cさんもお体に気をつけて。」

 相談業務では、問題・課題解決のためにほんの少しお手伝いしますが、最終的にどうなったかは分からないことが多いです。ときどきこのように報告いただくこともあり、これはこれでなんもいえねえ・・・


とーます

駆け込み

 「駆け込み受講」が立て込んでいるMIA日本語講座初級クラス。連休明けからすでに5人目。4月中旬から開講しておりまして、いくらか進んでおりますが、それでもOKでしたらどうぞどうぞ。

 さきほど、見覚えのある方が赤ん坊を抱えた若い女性を連れて、MIAのオフィスに現れました。頭の中では、「以前の受講生で、たしかSさん、韓国人。でも、自信がない・・・」表面は笑顔で、「やあやあやあおひさしぶり、お元気でしたか。」このことばに嘘はない。嘘を言わないようにするとあいさつしかできないのです。

「今日は嫁さんに日本語を勉強させようと思って・・・」

聞けば、Sさん(その後の会話でおぼろな記憶通り、たしかにSさんでございました)の息子の妻、Lさん(中国籍)で、日本語を勉強したいのだけれど生まれて間もない子どもがいるので難しく、お姑さんにあたるSさんに赤ん坊の世話をしてもらうことで日本語の勉強ができる、とまあこういう経緯だそうでした。

 明日からひとりで通うということで、交通手段、バス停、そこからMIAまでの経路について説明しました。

「MIAのすぐ近くの宮城県仙台合同庁舎前のバス停で降りてください。目印は歩道橋です。降りたらすぐ目の前にMIAのオフィスビルがありますからね。迷子になったらMIAに電話ください。」

 そして、翌日。9時40分に来電。

Lさん「とーますさん、昨日のLです。」
とーます「どうしましたか?」
L「歩道橋のところにいるんですが、MIAが見当たらない(※原文は中国語ですから駄洒落ではありません・・・何を恐れる、とーます)」
と「そこから何が見えますか?」
L「県警仙台北署と見えます。」
と「東西南北、方角が分かりますか?」
L「分かりません。」
と「じゃ、迎えに行きます。そこで待っていてください。」

 5分後、無事Lさんを北署前で見つけ、道案内しました。昨日の説明で歩道橋を強調したのが、アダとなりました。たしかに北署の前にもあります。Lさんが乗ってくるバスだと、MIAの前の歩道橋より先に北署の前を通るので、それでこうなったんですかね。

「昨日のうちに携帯電話にMIAの番号を入れといてよかったですね。じゃなきゃどうなったことか・・・」

 あはは、と笑いながらMIAに着いたのは日本語講座開始時間3分前でした。


とーます
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※先週の我が家の庭。春先、勝手にパクチーが芽を出し、分葱の領土を侵略していました。妻の不興を買い、全撤去されました。昨年実った種が零れ、冬を越したようです。パクチーはプランター栽培が良き哉。

今日も走りながらでござる

 一昨日のブログでも走ってましたけど、今日も走りながらでござる。

 お昼近くに一本の電話。
「どうしても外せない用件ができてしまい、今日午後2時半にお約束していた通訳に行けなくなりました。」

 えええ。が、行けないものは行けない、しかたがない。まだ2時間以上ある。いまなら間に合う・・・ほんとうか?間に合わぬなら間に合わせてみせようおっとせい。激しく意味不明。そんなことより名簿で可能性ありそうな人を探せ。現場がちょっと遠いので、車で移動できる〇〇語の登録者は・・・

 リストからピックアップして電話攻勢開始。

Aさん、不通。
Bさん、不通。
Cさん、いまお仕事中です。
Dさん、今日はこれから用事がありまして。
Eさん、不通。
Fさん、いまお仕事中です。

 6戦6敗、うち3不戦敗。ちょっと望みが薄れかけた7人目Gさんへ電話。

「いまちょうど映画館から出てきたところなんですけど・・・午後は特に予定がないので、このまま現場に向かえば間に合いますね。」

 わお。というわけで、どうにかこうにか通訳確保。関係各所に連絡を入れ、一件落着。

 Gさん、映画の余韻にひたる間もなく通訳現場に駆けつけていただき、恐縮至極。今日も走りながらでござる。


とーます 
※Gさんの観ていた映画はタイトルで察してください。宮城県を舞台にしたあの映画です。
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※明日、明後日は仙台青葉まつりです。MIA日本語講座の先生から受講生にわせる資料なにかないですかと訊かれて探していたところに、この通訳案件が飛び込んできました。青葉まつりの多言語資料はほとんど見つけれませんでした。

走りながら

「Cと申します、うちのおばあちゃんが肩と胃が痛いと言っていて病院に連れていきたいんです。通訳をお願いしたいのですが・・・」

ゴールデンウイーク明けの日にこんな電話が入りました。Cさんは中国人です。おばあちゃん(Cさんの夫の母親)も中国語話者。やりとりは中国語だったり日本語だったり身振り手振りだったりする(もしもし電話ですけど・・・)のですが、便宜上すべて日本語でお送りします。

とーます「いつ病院に行きたいですか?」
C「いまからです。S病院に行きたいです。」

時計を見ると既に午後3時。病院の受付時間にはまだ間に合う時間ですが、通訳サポーターがそんなにうまく手配できるかどうか。

と「OK。じゃ、すぐに通訳サポーターを探します。手配できたら電話します。」
C「分かりました。」

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ぴぽぱぽ・・・つーつーつー
と「こんにちは、MIAのとーますです。Bさん、いまからすぐ病院での通訳って対応できますか?」
Bさん「できますが、いま隣町にいるから30分ぐらいかかります。」
と「分かりました。S病院分かりますね。そこに向かってください。こちらは、患者さんと病院に確認してまた電話します。」

ぴぽぱぽ・・・つーつーつー
と「S病院さんですか?こちら宮城県国際化協会と申します。実は、そちらの病院にこれから中国の方が行きたいという連絡がありまして、通訳が必要ということでこちらに依頼がありました・・・」
S病院「本日患者さまはどういった診療を希望されていますか?」
と「胃と肩が痛いとおっしゃっていて・・・」
S「当病院、整形外科はありません。そして、内科は本日午後の診療がございませんで・・・」
と「がびーん。」
 これは心の声。ふりだしに戻る。ふりだし?

ぴぽぱぽ・・・つーつーつー
と「Cさん、今日S病院ダメです、やってません。」
C「あいやー、がびーん、じゃどこに行けば・・・」
と「近くに知っている病院ありますか?」
C「ないです。どこか紹介してもらえませんか?」
と「えーとえーと・・・分かりました。ちょっと当たってみます。少し待っていてください。」

ぴぽぱぽ・・・つーつーつー
と「Bさん、S病院ダメです。こちらで別の病院を探しますので、見つかったらまた連絡します。」
B「分かりました。」

インターネットで検索、ぴこぴこ。X医院、Y医院、Z医院・・・あることはある。ひとつずつあたってみる。

X病院。すみません、本日は院長不在で対応できません。
Y病院。すみません、今日は受け付け終了しました。
Z病院。だいじょうぶです。受付は4時までですが、間に合いますか?

 時計を見れば、3時45分。あと15分か・・・
と「これからすぐに患者と通訳に電話して向かってもらいます。4時に1分でも間に合わなかったらやはり駄目でしょうか?」
Z「このお電話をいただきましたので、少しでしたら待ちます。」
と「ありがとうございます。では、どうぞよろしくお願いします。」

 患者の家族Cさんと通訳サポーターBさんにすぐに電話を差し上げ、Z病院にすぐに向かってもらいました。CさんはZ病院がどこにあるか分からなかったのですが、なんとか間に合ったようでとりあえず無事診察してもらえたとのこと。

 ぜえぜえぜえ。通訳サポーター派遣手配はときどきこんな感じです。


とーます
※「走りながら」というタイトルを書いた途端、ぼくの頭の中には徳永英明の曲が・・・それは、輝きながら、じゃまいか。

初陣ベトナム語

 前ブログ「ペンギンカード」にて、次号の多言語情報かわら版ではSuicaとicscaについて書く旨を記しましたが、次号かわら版からひとつ大きな変化があります。担当者が結婚します!15年も前にしてるでしょ。とひとりボケひとりツッコミひとりオモシロクナイはこれぐらいにしといて・・・翻訳言語を変更します。2006年の創刊以来、日本語、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語の5言語をカバーしてまいりましたが、今年度よりポルトガル語を廃止し、ベトナム語を追加することといたしました。10年ほど前、宮城県のある町の工場に日系ブラジル人が多数就労されていたことがあり、最盛期にはその家族を含め1千人を越えるブラジル人が住んでいました。が、その工場の中国移転とともにブラジル人諸氏は仕事を求め他所へと散り散りになり、最新の統計では150人を割っています。

 一方で、ベトナム人は急増しています。10年ほど前、100人程度だった登録者数がいまでは1,600人を越え、国籍別登録者数では中国、韓国に次いで3位となりました。ベトナム人の増加は、宮城県だけではなく全国的な傾向で、法務省の統計によれば前年対比で47%強の増加です。急増しているのは主に日本語学校の学生と技能実習生と推測されます。仙台駅前を歩いていても日本語学校の学生と思しきベトナム人の若者とすれ違うことが明らかに増えました。

 ともあれ、震災後から在住外国人の状況に小さからぬ変化が見られますので、当協会もそれに合わせた対応をしております。みやぎ外国人相談センターのベトナム語追加(昨年度から)、そしてかわら版のベトナム語追加などなどえとせとら。

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 翻訳者Tさんと上記の外国人相談センターK相談員とで原稿をチェックしておりまして、間もなくできあがりそうです。そのKさんが、

「この原稿を翻訳したTさんは何歳ぐらいの人ですか?」

と訊いてきました。武士の情け、それだけは聞かないでというのは日本人の話?でして、でもなんで年齢ですかと問い返しましたら、このようなお答えでした。

「ベトナム人は、日本人みたいに苗字とか名前でお互いを呼ぶ習慣がなくて、年齢がちょっと上であればおねえさんとか、かなり上だとおばさんとか、そんなふうに呼び合うのね。だから、改めてあの人の名前は?と聞かれても分からないことがあるぐらいなの。」

 而して、KさんとTさんとの間ではどのような呼称でやりとりが交わされたのかは全く分かりませんが、とにもかくにもぼくの傍らはしばらくベトナムになっておりまして、電話の受話器を置くのと同時にKさんがにっこりして、

「これでOKです!」

とおっしゃるので、おねえさんたちによる翻訳は首尾よく行ったのだと思います。しんちゃお!あ、これは「こんにちは」だったかも・・・


とーます

ペンギンカード

 次号の多言語情報かわら版でSuicaとicscaを取り上げます。icscaとは仙台市営地下鉄が発行しているICカード乗車券で、イクスカと読みます(おそらく宮城方言で「行きますか?」を意味する「行ぐすか?」を文字っているのでしょう)。SuicaはJR東日本が発行するICカード乗車券で、スイカと読みますが、西瓜とは関係ないと思います、たぶんおそらく絶対・・・今年の3月から仙台圏ではSuicaとicscaの相互利用ができるようになったので、これを機に紹介しましょう、とまあこういうわけです。

 今日やれることは明日でもやれるを座右の銘にしているわけではありませんが、いつもいつもかわら版の原稿に取り組むのが遅くてすみません。ゴールデンウイーク直前にようやく原稿が形になり、翻訳者に送りつけておいて、自分はハワイへ・・・行った気分で塩竃での海釣りを楽しんでおりました。

 中国語翻訳担当のKさんから相談がありました。

「Suicaとicscaについてはどう翻訳しますか?」

 固有名詞はそのままでいいというのが基本的な考え方なのですが、Suicaをどう翻訳するのかちょっと興味が湧いたのでお聞きしたところ、

「企鵝卡って言うと思います」とのお答え。

 「卡」は「かー」と発音し、カードを意味します。「信用卡」はクレジットカードのことです。
 「企鵝」って中国語、恥ずかしながら実は知りませんでした。「ペンギン」のことです。たしかにSuicaの券面にはペンギンがプリントされています。Suicaのキャラクターです、たぶんおそらく絶対。
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 再々翻訳すると「ペンギンカード」ってことですね。分かりやすいこと、この上なし、さすが中国語です。

 ところで、そのペンギンを意味する「企鵝」という中国語についても疑問が生じました。ペンギンが鳥類の中でガチョウに近いかどうかはさておき(高校で生物の学習を基本断念しました)、なぜ企画の企なのでしょうか?そのことについてKさんに再び尋ねたところ、しばらく考えてからお答えになりました。

「そのように立っているからではないかしら?」

 ペンギンの直立姿勢が漢字の「企」に似ているからという説は、脳裏にペンギンを思い浮かべた我々を首肯させるに足る説明でした。なるほど。

 疑り深いわけでもないのですが、この感動の裏を取るべく調べてみたところ、ペンギン姿勢説は幻だったようです。「企」には爪先で立つという意味があり、どうもそちらが有力のようです。ともあれ、おかげでまたぼくはひとつ賢くなりました。毎日3つ賢くなくなっているというのに・・・


とーます

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