20年前にあればよかったのに

 先週末の8月29日(土)、定住外国人とともに学ぶ実践介護塾の第2回が終了しました。

 仙台駅に集合し、そこからバスに乗って仙台市青葉区国見ケ丘へ。せんだんの里せんだんの丘の二手に分かれて見学。参加者は時間の関係でこのいずれか一方を見学いただきました。高齢者の生活の場にぞろぞろがやがやと押しかけるのはちょっとあれということで、参加者に分かれていただきしました。それぞれ全く違った経験ができたようです。

 車いすやベッドとすれ違えるように広々とした渡り廊下があって、体が不自由なお年寄りでも入れるお風呂があって、と日本の福祉の粋が集まった施設を見学しました。大枠は法律に則っていますが、細部は各施設の方針や考え方で様々のようです。例えば、職員の制服。せんだんの里は生活の場にユニフォームを着ている人がいるのはおかしいということで、スタッフは全員私服で名札もなし。理由を聞けばなるほどと思いましたが、もう一方のせんだんの丘ではスタッフはすべてユニフォーム着用、職種によってユニフォームにも違いがあるようです。

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※ここは「勾当台公園」、せんだんの丘は各所に仙台の地名が付いています。


 せんだんの丘では介護食の体験もしました。数種のおかゆ、すりつぶした野菜や魚の再成形。実際食べてみた方の感想は聞き及んでいませんが、すごいことですね。

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 現場の職員の方からうかがうお話は、通り一遍の制度や設備の説明のみならず、裏話、こぼれ話、いまどきのことばだと「ぶっちゃけトーク」って言うんでしょうかね、とても刺激的な内容でした。

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※せんだんの里には、様々な入浴設備がありました。


 せんだんの里では、グループホームとデイサービスの現場に実際に訪問させていただき、利用者さんと交流しました。

 フランス出身のMさんは、グループホームに入っていくなり、ある利用者さんに「どこの国の人?」と問われ、フランスと答えると「実は、むかしフランス人の留学生をホームステイさせたことがあってね。」なんて昔語りが始まったようです。

 グループホームを伺ったもうひとり、中国出身のKさんには、80代と思しきおばあちゃんがつつつと近寄ってきて手を握りしめ「あらあ!」ととても喜ばれたようです。どうやらご家族か知人のどなたかと思われたようです。Kさんはそのグループホームを出られてから、「あのおばあちゃん、寂しいんだねえ」と、ぽつり。そうですねえ・・・

 帰りのバスのなかでは、それぞれの感想を語っていただきました。中国出身のMさんの言葉がとりわけ印象的でした。

「わたしの父と母は20年前に介護を必要としました。あのときの中国に今日のような施設があったらどんなによかったか。」

 参加者それぞれの家族が、かつて必要とし、あるいは現在そのまっただ中にいて、あるいは将来必要とするであろう介護。過去、現在、未来の家族を思い浮かべ、みなさんの脳内は少なからず刺激を受けていたように思いました。かくいうぼくも数年前までグループホームでお世話になっていた父方の祖父、現在老健施設にお世話になっている祖父を思い出していました。

 いつものバスツアーとはちょっとだけ雰囲気の違う帰りのバス車内。その日は一日中雨模様でした。


とーます

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このページは、MIAが2015年9月 1日 16:26に書いたブログ記事です。

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