お医者さんに診てもらえないお医者さん

「私は日本に来たばかりのとき、全く日本語ができませんでした。私はフランスではお医者さんをしていましたが、日本ではお医者さんに診てもらうことができなかったのです。」

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 本日、「ニューカマーのための生活適応支援プログラム」第2弾、「保健・医療について学ぶ会」を開催しました。講師の宮澤イザベルさんには、冒頭の言葉を枕に日本での病院のかかり方や夏の健康管理についてお話していただきました。

 イザベルさんはフランスで医師として働いていらっしゃったのですが、ある日本人とフランスの職場で出会い、結婚され、夫とともに仙台に来られました。その後、日本語を習得しながら、前後して医師免許の勉強も進められ、日本の国家試験に合格。晴れて日本でも医師となられ、現在は東北福祉会予防福祉クリニックと系列の介護施設に医師として勤務されています。

 イザベルさん自身の経験を交えた在住外国人向けの医療講座は、ならではのエピソードやアドバイスに満ち溢れていました。

「日本の病院は待ち時間が長い。待合室には日本の雑誌や本しかない。自分が読みたい、読める本を持って行った方がいい。」

「日本の医者はたいへん忙しく、5分か10分ぐらいしか診察しない。だから、訊きたいことをメモして持って行くといい。逆に、医者から言われたこともメモを残し、病名などは医師に書いてもらうといい。」

「フランスは元々夏でもそこまで暑くなかったので、ほとんど扇風機やエアコンを売っていなかった。ところが、2003年の歴史的な猛暑では、養老院に暮らしていた老人など1万3千人もの方が亡くなった。その翌年から、養老院は扇風機を備え、一般の店でも扇風機が普通に売られるようになった。」

「フランスにはなかったので『蚊取り線香』の存在を知ったのは、来日してから15年もあとのことだった。」

 そして、とても嬉しそうに、

「網戸は自分で張り替えられることを最近になって知りました。あれはとても便利でいいものです。」

等とおっしゃいます。

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 今回この学習会に参加された方の出身は、中国、韓国、イラン、ベトナム、シンガポール、フィリピン、スリランカ、バングラデシュ。常夏の国の方々は「夏バテ」ということはありえないそうで、そもそも暑さに対する耐性が備わっているというお話もありましたし、逆にそういう国から来た人は日本の寒さが辛いというお話もありました。環境によって人は耐性も食べ物も変化させて適応していくものなんだな、というか、だからこそそれぞれの民族の特徴や文化が今日に至って保持されてきているわけなんだな、なんてことを再認識した次第。

 今日もたくさん学びました。


とーます

※ちょっと長い追記
 ラマダン中にもかかわらずバングラデシュのご夫婦がこの学習会に参加され、他の参加者が昼食をとっている間、おふたりは勿論何も食べられないので、その時間を利用して僕があれこれとお話を伺いました。
 いまはとても便利な世の中で、世界イスラム協会みたいな組織によるHPやメール配信などで世界の都市の日の出日の入り時間などのレポートを簡単に見ることができるそうです。因みに、本日仙台は午後7時3分の日の入りだそうです。さらには、その時間にブザーシグナルをスマートフォンに送信するサービスもあるのだとか。ぶーぶー、はい、ここからは食べていいですよ、ということなんですって。
 先日僕が抱いた疑問、北欧の白夜にてラマダンや如何に?やはり明るい時はご法度なので、アイスランドのピーク時は深夜わずか2時間しか飲食が許されないとのこと。いやあ、たいへんなことです。
 水を飲むことはおろか、唾を飲み込むことも許されないというたいへんな徹底ぶりで、話には聞いていましたが、そのストイックさを目の当たりにするとただただ自分のよれよれっぷりが悲しくなります・・・ありのーままのー・・・と娘と熱唱してお茶を濁すことにします。嗚呼。
 とまれ、おふたりともラマダン明けのパーティを心待ちにされているようでした。とーますさんも来てください、とお誘いを受けました。とっても行ってみたいですが、こんなよれよれのーままのー、でいいんでしょうか?頭の中にはなぜか中原中也が思い浮かんでおりますが、罰当たりな連想です。

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このページは、MIAが2014年7月 9日 19:54に書いたブログ記事です。

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