スパシーバ、わすれもの

 初級1クラスの受講生、ロシア人Pさんが授業前にMIA事務所に現れました。Pさんは日本に来たばかりでMIAで日本語の勉強を始めて2週間足らず。我々の共通言語はカタコトイングリッシュだけ。

 受講生仲間に借りてきた単語表を片手に指さしながら、
「るっしあんまてりある・・・とれいん・・・ばっぽー・・・」
等ととつとつながら必死に訴えています。

「ばっげーじ?」
「のー、ばっげーじ(と言って持って来たといった動作)」
「おんりーふぁいる?」
「ふぁいる?ばっぽー・・・」

上記と並行してノートに駅と電車の絵を描いて、指さしていたら、どうやらロシア語の教材を電車の中に忘れてきたといったことがおぼろげながら分かってきました。

「えきに/でんわ/します。てれふぉん。わたしが/てれふぉん/します。だいじょうぶ!」

だいじょうぶと言う根拠は何もないのですが、こちらのとりあえず笑顔につられるようにPさんも弱々しく笑みを浮かべました。

 数年前、自分のことで何度もお世話になった仙台駅お忘れ物センターに電話をしました。「すみません、ファイルなのか、プリントだけなのかもわからないのですが、ロシア語が書いてあって・・・何時なんちゃら発のかんちゃら線で・・・」

 検索の結果は・・・残念ながらありませんでした。ですが、JRの方は、「もう少し時間をおくと出てくるかもしれませんから」とアドバイスをくれましたので、約1時間待ってもう一度電話してみたら・・・あったあった、くららが!(それは「立った」)はらしょー!でございました。「では、本日にでもロシア人のPさんがそちらに伺いますので」とお伝えしたまではよかったけれど、さらにもう一つの難問。Pさんにどうやって駅3階「お忘れ物センター」の場所と忘れ物を引き取るために身分証明書の提示が必要だということを伝えるか。

 とりあえずインターネット上でみつけた「お忘れ物センター」の地図をプリントしましたが、はてさてふむーんと対策を考えていましたところ、初級1クラスのI先生から鶴の一声。「初級2クラスのOさんに手伝ってもらいましょう。」そうでしたそうでした、Oさんもロシアのご出身なのでした。

 Oさんは「わたしにほんごへたですよ」なんて謙遜されていましたが、しっかりPさんに用件をお伝えいただきました。Pさんもうんうんとうれしそうにうなづいて、Oさんにロシア語でなにかお話をしていました。僕にも「スパシーバ」だけは聞き取れました。「ありがとう」という意味ですね。すぱしーばすぱしーば。


とーます

※Pさんが何度か口にした「ばっぽー」と言うのがなんだったのか気になって気になって、夜にならないとぐっすり寝られなさそうです。いつの日かそれがあれだったという日があれすればいいなと思います。

※僕がMIAで働くようになって1,2年目のときは、忘れ物がほんとうにひどくて、傘、携帯電話、毛糸の帽子だけが利府の車両倉庫に入庫、もしくは東京までひとり出張というのは一度や二度ではありませんでした。「お忘れ物センター」でよかった。「お忘れ者センター」だったら、自分が入れられるところだった。

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このページは、MIAが2013年10月18日 11:19に書いたブログ記事です。

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