日本語ボランティア養成講座(南三陸編)が始まりました

先週の木曜日から、「日本語ボランティア養成講座(南三陸編)」が始まりました。

この講座は、当初、今年の4月から5月にかけて実施する予定だったものです。

県内の市町村と共催で実施するこの事業は、南三陸町にお住いのKさんが、同町での日本語教室の再開を視野に入れて、役場職員のMさんに開催を持ちかけ、Kさん、Mさんと当協会が、開催に向けて年明けから相談を重ねていました。

その後に起きた大震災。

Kさんは自宅を流失してしまい、3月下旬に南三陸町を訪れた際には、Mさんが津波の犠牲になったという大変辛い事実を知らされました。言うまでもなく、ボランティア養成講座などできる状況ではなくなり、私も当然開催を諦めていました。

ところが、震災から数か月経ったある日のこと、Kさんから電話があり、「ぜひ養成講座を今年中にやりたい」というお申し出をいただき、その後南三陸町役場でお会いした、Mさんの後任のUさんからも「『いろいろな人のお世話になったから、今度は自分でも何かをしたい』、と考える人がきっといるはず」という力強い言葉をいただき、思いがけず年内に実施することになったのです。

Kさん、Uさん、そしてMさんの思いに応えるためにも充実した講座にしたいと思いつつ、講師のSさんと車で南三陸町へ。

建物の土台ばかりが広がり、その一角には途方もない量の瓦礫が積み上げられた町の中心部を抜け、会場となっている総合体育館へ向かいました。

震災直後は、避難所、そして各種支援団体や物資の拠点となっていた同施設は、ずいぶんと落ち着きを取り戻しているとはいえ、敷地内にはボランティア支援センターや法律相談窓口が、建物内には就職相談窓口などが設置され、まだまだ平時とはほど遠い状況です。

そんな様子を目の当たりにし、私とSさんの心中では、
「今この時期に『日本語ボランティア養成講座』を本当に開催していいのだろうか?」
「多文化共生とか、日本語習得支援とか、上滑りなものに聞こえないだろうか?」
という、準備段階から少し感じていた不安が、次第に大きくなっていきます。

 「でも、少なくとも地元の人たちの希望を受けて開催するものだし、何よりこの時期に11名もの申込者の方がいるのだから、とにかく頑張りましょう」と気を取り直して開講に臨みました。

初回は、アイスブレーキングの活動のあと、県内の国際化の現状などについての簡単な解説、Sさんの「外国語としてみた日本語」というテーマでの講義、という内容です。受講してくださった方の中には、仮設住宅住まいの方、ご家族をなくされた方もいるのに、皆さん、本当に熱心に私たちの話に耳を傾けてくださり、とても和やかな雰囲気のなかで講座初回を終えることができました。

「自分でも何かしたいと思っていた時に、講座のチラシを見て『これだ』と思った」と参加の動機を述べてくれた方、「震災などの非常時のとき、日本語がわかるというのも大事なことだけど、日本人側からも外国人に寄り添うような姿勢が必要だと思う」と、言葉以前の温かな思いやりの心の大切さを訴えた方・・・。まだまだ大変な状況が続いているなかでも「他人のために何かをしたい」という貴い思いを持っている皆さんを前にして、私とSさんが抱えていた不安は、いつの間にか無くなっていたのでした。

「いろいろ思うところはあったけど、行って良かった」というSさんの感想は、私と全く重なるものです。

Kさん、Mさん、Uさん、そして受講生の皆さんの思いがしっかりと形となるよう、南三陸町での日本語教室再開につながるよう、残り三回の講座にもしっかり取り組みたいと考えています。

南三陸養成講座.JPG

 

(O.T.)


 

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このページは、MIAが2011年11月21日 13:07に書いたブログ記事です。

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